フランスで年に2回開催される世界的に有名な欧州最大級のインテリア&デザイン見本市があります。
それが「メゾンエオブジェ」です。
シャルル・ドゴール空港にほど近い巨大メッセ「PARIS-NORD Villepinte」で開催されるこの見本市には、フランスのみならず、欧州を中心とした様々な国のバイヤーやジャーナリストが訪れます(来場者の約半分がフランス国外)。
「世界の流行はここから始まる」と言われるほど大きな影響力を持つ「メゾンエオブジェ」。今回はこの見本市についてご案内したいと思います。 まずは概要をご説明。
メゾンエオブジェの概要
●開催場所: PARIS-NORD Villepinte
●来場者数:85,000人(2014年)
●3000社が出展
●インテリア、ギフト、雑貨、テーブルウェア、テキスタイル、家具等を扱う見本市
※現在、パリの他に、メゾンエオブジェアジア(シンガポール)、メゾンエオブジェアメリカ(マイアミ)でも開催されています。
発信力のある見本市
(出典:https://www.jetro.go.jp/)
欧州には、ドイツで行われるこちらも世界最大級の見本市「アンビエンテ(Ambiente)」をはじめとする、様々な見本市があります。
その中でもメゾンエオブジェへの注目が特に高い理由は、パリというモードの最先端の街で20年に渡り、デザインに拘ってトレンドを発信し続けてきたことにあると思います。
会場を訪れるのも、バイヤーにとどまらず、ジャーナリスト、ハイブランドのデザイナーや担当者、スタイリストやトレンドセッターと呼ばれる流行仕掛け人などなど。
メゾンエオブジェでこうしたトレンドセッターの目に留まることで、世界のトップデザイナーへと駆け上がりのも夢ではありません。
その為、メゾンエオブジェには主催者の厳しい審査があり、出展実績はステータスとなって大きな影響力を持つと言われています。
最新のデザインが一挙に集まる見本市、メゾンエオブジェから、世界の流行が始まるといっても過言ではないのかもしれません。
日本の企業やデザイナーも注目
そんなメゾンエオブジェ、日本からも多くの企業やデザイナーが参加しています。
日本では、海外に販路を求める企業に対し、ジェトロ(日本貿易振興機構)が参加をバックアップしています。
こちらはジェトロのweb資料からお借りしてきた、2014年に日本ブースへ参加した企業のパンフレットの一部です。
やはり、日本独特の和をイメージしたデザインや、伝統的なものを出される企業や団体が多いですね。
松栄堂さんは有名なお香の老舗です。とても良いお香でも試香をさせて下さったりして日本を訪れる海外の方にも人気があるのですが、こうした海外へ向けた活動を着々とされているのだなぁと思いました。
こちらは、2015年1月のデザイナーオブザイヤーに選ばれたnendoの展示ブース。
nendoの代表は佐藤オオキさんです。
まだ30代の佐藤さんですが、デザインの世界では大注目されている気鋭のアーティスト。
実は世界中の名だたる美術館に彼の作品が所蔵されていたりします。
世界で活躍している日本人デザイナーや、これから世界へはばたいていこうとする優れた日本のデザインやモノ達が、流行発信基地であるメゾンエオブジェでがんばっているのは、なんだか誇らしい気持ちになります。
終わりに
3年ほど前になりますが、メゾンエオブジェに足を運んだことがあります。1月のParisはそれはそれは寒いのですが、会場は寒さを忘れるほど活気にあふれていました。
ここを訪れる人たちもオシャレな人が多く、トレンドセッターによるトレンドブースやインスタレーションブースは美術館にいるような質の高い展示で、まさにここは流行の発信基地だなぁと感じたのを覚えています。
当時、流行の最先端のこの場所でZENスタイルがまだまだ根強い人気でしたので、3年経った今、海外でさらに「BONSAI」などの人気がウナギのぼりに人気を集めているのもうなずけます。
私達花を仕事にするものにとって、インテリアの流行は大きな影響力を持ちます。たまには日本を飛び出して世界の色々なものを見たり、感じたりすることは大切だと強く実感するこの頃です。
1月、9月にフランスを訪れる機会があれば、ぜひ最先端のインテリア見本市を訪れて世界のトレンドに触れてみてはいかがでしょうか。
来月はNYのギフトショーを見に行きます。こちらは北米最大ということでどんなものが見られるか今から楽しみです。皆様にもレポートをお届けいたします!