農林水産省が行っている【国産花きイノベーション推進事業】。あまり花業界で話題になっていないようですが、かなりの予算が割かれているようです。
日本は、世界中の花生産者が参加するオランダでのコンテスト「国際園芸博覧会」にて最高特典を獲得するほどの高い技術を持ち、1990年代には世界1位の花キ生産額を誇っていました。
しかし、国内での切り花シェアはと言えば、安価な輸入切り花に押されているのが現状で、国内農家は、徐々に花生産から撤退を余儀なくされているそうです。
ちなみに、国別の切り花一人あたりの消費額(GDP比支出割合)がもっとも多い国がどこかご存じでしょうか。
ちょっと意外な感じで1位はスイス。
2位ノルウェー
3位オランダ
4位イギリス
5位デンマーク
6位オーストリア
7位ベルギー
8位アイルランド
9位スウェーデン
10位ドイツ
11位フィンランド
12位フランス
13位イタリア
・・と続き、ようやく
14位日本
・・・まだまだ日本、伸びしろがありそうです。
反面、実は日本の花キ生産額は世界3位。
1位アメリカ、2位オランダ、3位日本。
鉢物も含めた場合は世界2位の生産額を誇ります。とはいえ生産額については年々落ち込みを見せているのが現状です。
そうした背景から、高い技術を持つ国内の花生産を活性化させて、国内シェアの奪還及び輸出シェアの増大を狙ってこの事業がスタートしました。
事業の中では、国内需要を増やす為の様々な提案が。
暮らしに花を取り入れる、生け花などの伝統文化の継承のための支援、また、プリザーブドフラワーなどの加工技術の向上なども、政策の一貫となっています。
農水省の事業というと、なんとなく遠い世界の話しのような気がしますが、このように聞くとかなり私たちにかなり身近な事業だということがおわかりいただけると思います。
コンテストや品評会、ワークショップイベントなどは確実に増加するでしょうし、事業によっては補助金を受けられるような制度も増えてくるかもしれません。
(ちなみに、農水省では無く文化庁の政策で非営利団体のみが対象ですが、いけばなの場合、伝統文化の伝承を目的として、こども教室には、申請することで1事業あたりなんと年間50万円の補助金が給付されています)
オリンピックに向けての夏場の花の大量確保なども視野に入っているこの事業。
今後も注目です!オカダ