こんにちは!町田の花と輸入雑貨フルールベネット主宰の通地です!
皆様お花屋さんで生花をお求めになった際に、
小さな液体の入った小袋を一緒に渡された経験はありませんか?
さながらお弁当に添えられているお醤油のようなサイズの袋です。
それは「切り花栄養剤」または「延命剤」と呼ばれ、お花を長持ちするようにサポートをしてくれるものです。
生花は生き物ですのでいつかは元気がなくなってしまいます。
それを1日でも長く良い状態に保つようにしてくれる「切り花栄養剤」は花活動を行う私たちにとって重要なものになります。
今回は私が実際に使用している製品と、どれほどの効果があるのか検証をしましたのでお伝えしてまいりたいと思います。
切り花になったその瞬間から花は自力で栄養をつくることが出来なくなります。
そこで栄養の補給を助けたり、しおれないようにサポートするのが「切り花栄養剤」です。
粉末や液体など種類は様々で、内容される成分によって助ける働きが異なります。
また多量に入れた分だけ効果があるわけでなく適切な希釈濃度を守ることが重要です。
使用する場合はよく確認をしてご購入、ご使用ください。
またバラには専用に栄養剤があったりします。
次は私が実際に生花を扱います際に使用している製品を2種類ご紹介します!
1.キープ・フラワー
2.ハイ・スピード
こちらは俗に言う延命剤です。
お花屋さんでもらえる小袋はこの延命剤が入っており、効果はお花を長持ちさせる
【持続効果】があり、一般の方にも広く使われるポピュラーなものになっています。
※詳しくは各製品の使用方法に沿ってお取り扱いください。
使用方法は延命剤を活ける花瓶の規定量の水に対して、原液の液体を混ぜ込んで使用するだけです。
あとはその花瓶に花材を活けるだけなので、生花を手にしたことのない方でも安心して簡単に使用することができます。
こちらは促進剤と呼ばれる水揚げ効果を早めるものになります。
当日中の早い時間にお花を扱いたい時、特にお教室で生花レッスンを多く開催されていらっしゃる先生方にはお勧め!
一般でこちらを扱う機会はあまりないのでこちらはプロよりの製品になります。
早く水揚げをしたいと時や水揚げの悪い切り花も、簡単に水揚げができてしまう優れものです。
作業の時短を求める時にはとても重宝します。
※詳しくは各製品の使用方法に沿ってお取り扱いください。
花の切り口を浸せるだけの容器を用意し、ハイ・スピードを3~5㎝程注ぎます。
サンプル花材はベロニカを使用しています。
水に浸かる範囲の葉を除いて茎を切り戻したら、切り口を3~5秒間(2~3㎝ほど)浸けます。
あとは通常の水を張ったバケツ(または花器)へそのまま入れるだけ。たったこれだけで後の効果に大きな差をもたらします。
市場で入荷した水落ちしてしまったバラやガーベラも、数秒浸して活けるだけで早いもので30分~1時間前後でシャキッとなります。
※花材によっては2時間~3時間かかる場合もあります。
それでは実際にキープ・フラワーとハイ・スピードを使用した場合、どのような効果が出るか検証いたしました。
比較しやすいように3パターンを並行して用意しました。
条件は3パターン全て同じにして行いました。
【条件】
・使用花材はベロニカと菊を同量で検証する。
・水の取替えは最後まで行わないとする。
・茎の切り戻しは最後まで行わない。
・保存場所は直射が当たらない室内に置く。
以上でスタートしました!
【開始初日は11月下旬頃】
そして検証パターンは左から
1.キープ・フラワーを混ぜ込み使用 + ハイ・スピード処理を行ったもの
2.ハイスピードのみを使用し処理を行ったもの
3.通常の水のみを使用
このパターンでしばらく様子を見ていきます。
【開始より10日目。12月上旬頃】
気温が低かったせいか初めの1週間は特に大きな変化は現れませんでした。最も大きな変化が表れたのは10日目。
見た目にもわかるように、1番右の水のみのベロニカは力なく完全に水落ちした状態となりました。
栄養剤と促進剤を使用した2つはこの時点ではどちらも大きな変化はないように思えますが、
促進剤のみで処理を行った中央のベロニカは、軽く触れると花穂がグニャグニャと多きく左右に揺らぐ状態でしたが、2つの薬剤を入れた左のベロニカは、降ってもぐらつくことはありませんでした。
この時点で全てのベロニカを取り除き、菊のみにして引き続き検証を続行しました。
【開始より20日以上経過。12月中旬終わり頃】
比較してみると、促進剤(ハイ・スピード)を使用して処理をし、延命剤(キープ・フラワー)を入れて水に浸した、1番左側の菊が最も色合いを保っていることが分かります。
ハイ・スピードには水落防止効果もあるので、その効果は一目瞭然ですね。反対に水のみの菊は黄ばみやしおれが確認できました。
水の状態の比較です。
延命剤が入っている水が1番濁りがありますが、お花の状態は1番良く保たれています。
以上の経過を見ると、延命剤も促進剤どちらも使用した方がお花が長持ちすることが分かりました。
ですが、いただいた花束などを花器に移す際に切り戻しまで行う方は
あまり見受けられないかと思います。
そのためお手軽に必要量入れるだけで効果が得られる【延命剤】は一般の方にも
とても便利なアイテムとなっております。
これからプロを目指す方、お花に携わろうと考えている方は【促進剤】のような
製品に遠からず出会うと思いますのでぜひ参考に覚えておいていただければ嬉しいです。
より詳しい切花比較試験の結果をご覧いただけます。
栄養剤を使用することでお花が美しく保たれ、長くその期間を楽しむことができます。
レッスンなどを行う場合は、必要なタイミングまでお花を良い状態で保存することは
重要かつ必須ともいえるスキルです。
私がご紹介しました製品はほんの一例ですので気候やお花の種類に合わせながら
適切な栄養剤を吟味してみてください。
時間に制約があるものだからこそ上手に栄養剤を活用して1日でも長く
楽しめるようにお手入れをしてあげてくださいね。
東京町田 ライセンススクール
フラワー&輸入雑貨「フルールベネット」通地 美弥子
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