本日は日本最大級の花の展示会。フラワーEXPOをご紹介いたします。
第12回国際フラワーEXPOが、昨年10月14日(水)から16日(金)まで幕張メッセで開催されました。 会場では花以外にも、国際ガーデンEXPO、国際農業資材EXPO、国際次世代農業EXPO、道工具・作業用品EXPOが同時開催されていて、普段見たこともない大きな機械が動いていたり様々なものが、展示されていましたよ!
総来場者数は、3日間で昨年より3548人多く、42368人。
駅から繋がる幕張メッセの会場までは、多くの人々で溢れていました。 今回のフラワーーEXPOは、いつも良くしてくださっているフロールエバー様よりいただいたVIP招待状を手に持って行って参りました。
遠方で行けなかった人、今回は行けなかった!小さい子がいて毎年行くのが難しい・・・という方のために、まるで行ったかのような!そんな気持ちで取材に行って参りましたよ。
基本的に展示会は撮影禁止です。今回は許可のとれたところのみ掲載しております。撮影をご承諾いただきましたブースの皆様ありがとうございました。
【開催は1年に一度!大きな花の展示会 フラワーEXPO】
1年に1度だけ開催する大規模な花の展示会。フラワーーEXPO。ここには世界中から花に関連した商材が集まります。 ざっとみるだけでこんな感じです。
【誰が見にくるの?】
これらの商材は、日本中のホテル・ブライダル・百貨店・各ショップ関係者が見にきます。自社に何か良いものはないか?と探しにくるのです。自分達に合いそうなもの(売れそうなもの)が見つかったら、その場で商談が行われます。 出展する側も、自分たちが開発した商材を取引してもらい、さらなるビジネス拡大を狙ってブースを出しています。
【出展するためのブース代は高いです】
出展するのに1ブースで高いところは通常数百万のお金がかかります。これは他の出店も同じです。什器などいろいろお金がかかるのです・・。低価格なブースだと端っこになってしまうので、集客力のあるメインブースにはそれなりの有名な企業が出展していて、見応えのある空間になっています。
日比谷花壇様のご提案は新しいフューネラル。今、仏の需要は、とても伸びていますよね。どちらも素敵なブースでした。
【出展ブースの料金】
フラワーEXPOは、1小間(6M×2.7M)の出展料が86万と一般的な展示会よりもやや高額です。半分のスペース(3M×2.7M)も可能とのことですが、単純に1小間の半額金額ですから、これでもとても高い金額ですね。
また、スペース渡しのため基礎小間の設定がなく、ブースを出すには、さらにパッケージブースなどの手配にお金が必要となります。 出店は出展料の他にも色々とお金がかかります。
【購入権限をもつバイヤーが、多く来場します】
権限を持つバイヤーが会社を代表してきますので、良い商品であればどんどん商談が決まっていきます。
中には大きな取引も行われています。 お花の先生たちも時々このエキスポに出されていて、ホテルやインテリアショップとの商談が決まっているようです。ただし、商品に力がないと厳しいようではありますが・・・ 皆さまも「これはすごい商品だ!」というものが開発またはお持ちであれば、たくさんのバイヤーが集まるこのような展示会に出展されると良いと思います。うまくいけばお取引が各企業とできるかもしれません。
【商談の仕方と買い方】
興味があるブースでは名刺交換させていただき、商談が始まります。 小売しているブースもありますが、基本的に展示会では、ロットでの販売(1ロット12個など商品により違います)となり、受注販売となります。
【展示会に必須な持ち物】
このような展示会に初めて行かれる方のために必要な持ち物をご紹介しますね。
・名刺(必須)
名刺は必須です!業社様からも今後の繋がりのために、「お名刺頂戴できますか?」と聞かれます。 名刺は顔となりますので、必ず沢山の名刺を持っていきましょう。 受付手続きでは2枚必要となります。名刺はたっぷり持っていってくださいね。
・靴は歩きやすいもの
今回は幕張メッセの1~6番ホールが会場という尋常でないほど広い会場。 本来は1日では回りきれないという程のブース数です。1日の予定で回る時は終日歩きっぱなしとなりますので、 女性は高いヒールではなく歩きやすい靴をオススメします。
・パンフレットを入れる袋など
会場ではパンフレットやカタログ、サンプル品や買い物で沢山の荷物になりますので大きい袋が必要です。
今回は入場してすぐのところで出展されていたamifaさんより袋を頂けたので助かりました。 他のメーカーのパンフレットを入れても充分な大きさで、尚且つ肩からかけられる為、とても重宝しました♪ amifaさんありがとうございました!
・現金
会場では、直接購入できる商品もあります。 ※クレジット決済はできません。 展示会ならではのお買い得品などもありますので、少し多めに現金を用意しておくといいと思います。
【レッスンのアイデイアや作品のヒントになる豪華なイベントが盛り沢山】
フラワーEXPOは出展ブースを見るだけではなく、毎日様々なイベントが開催されています。
これらイベントセミナーは、全て無料というわけではなく有料もあります。有料の専門セミナーはもちろん撮影禁止でしたので、今回はその他のイベントを少しだけご紹介させていただきます。
●イベントその1「フラワーアレンジメントショー」
3日間で11人の講師が30分~1時間のアレンジメントショーを開催します。事前予約となっていますが、当日会場でも申し込み可能です。 席はフリーですので、良い席をとりたい方は少し早めに行くと良いでしょう。
こちらは大人気フローリスト/シリル・ルヌー氏ののデモンストレーションです。
フランス出身のシリル・ルヌーは、パリコレの舞台装花やベルサイユ宮殿の空間デザイン、エルメスをはじめすとるハイブランドの店舗装花を手がけてきました。現在は日本のアトリエを中心に活躍されている人気アーティストです。ちなみに私もベルサイユ宮殿のパーティの装花のお手伝いをやらせていただいたことがあります。とっても良い経験でした。
1作品目のテーマは秋。 ダリア、沢山の種類のバラ、アストロメリア、けいとう、紫式部など、秋色の花達をこれでもかと贅沢に使用します。(こんなに沢山のお花を使えたら、幸せですね)
作品は「パラレル」という、花を平行に並べるようにしてアレンジするテクニックで仕上げていきます。 日本では生花の基本として習いますが、パリの装花でもよく使っていたテクニックだそうです。
こんな風に重ねていくと、とても早く作業ができますね。 会場がかなり広い為、手元もよく見えるように大きなスクリーンでもご紹介されていました。
男性フローリストがナイフを口に加える姿ってとても魅力的ですよね^^
もう1つの作品は、大小のガラス花器にダイナミックにアレンジした作品です。
どちらの作品も、四方見で活けこみます。 パリのレセプションでは、アレンジメントを中央に置くということが多く、 このようにど角度から見ても綺麗に仕上げることが大切だったそうです。 また、2つの作品はそれぞれに、枝物が使用されていました。 これもレセプションなど天井の高い会場で、高さと広がりを出す為によく利用していたそうです。
パリでは、会場の装花でそのレセプションのレベルが問われます。 フローリストはただ会場を彩るだけではなく、レセプションの価値を左右する存在なんですね。
●イベントその2「フラワーコンテスト」
インテリアフラワー・ウエディングブーケ・ギフトアレンジという3部門のコンテストが展示会中に開催されています。会場には「思い出を花に託して」をテーマに、250作品を展示。 タイトル通り作品を通して、ストーリーが感じられる作品の数々に、花を通して伝えるメッセージを相手に共感してもらえるようなモノ作りが大切であると感じました。
実は当協会(FEJ)の会員様方も多数出展されており、どれも素晴らしい作品でした!
こちらは、アトリエフロレゾン谷澤先生の作品です。
谷澤先生らしい、可愛らしい作品でした。おめでとうございます。
ベストフォト賞を受賞された、鈴木ひろみ先生の作品です。
コンテストは見るだけでも学ぶことがたくさんあります。オリジナル作品が思いつかない・・という方は積極的にコンテストを見に行かれるのが良いのではないでしょうか。でも、なんといっても自分がコンテストに出品するのが一番の勉強です。得るものがたくさんあると思います。
花仲間と一緒に巡ると楽しいですし、レッスンのアイデイアや花のヒントがいっぱい見つかると思います。(真似っこはダメですが・・)
・イベントその3「IFEXフラワー大賞2015」
IFEXフラワー大賞とは生花3部門において審査され、グランプリ・入賞作品が選ばれます。会場内では、切り花部門・鉢物部門・海外生産者部門の3部門で争われます。
海外制作者部門グランプリはエクアドルのDEEP PURPLE 大きな花弁と棘の少ない茎が特徴のグラデーションが美しいローズが選ばれていました。
鉢物部門グランプリは新品種で人気の八重咲きのプリンセチアローザ。 茎のもちがよく、ボリュームがあるのが特徴です。
【お花の先生の視点で見てきました】
このような展示会には、各社の「新商品」が並んでいることが多く、普段私たちが使っていない問屋さんと出会えるのも大きなメリットです。
みんなが知らない花器やオーナメントを使いたい ・ちょっと探しても見つからないリボンや花をレッスンで使いたい
このようにお考えの先生に展示会はピッタリ。その場で取引が可能ですので、名刺を交換して注文もOKです。 会場は基本的に写真厳禁ですが、きちんと承諾を得たブース(ご協力ありがとうございました)を、皆様にご紹介させていただきます。
●フロールエバー(敬称は省略させていただきます)
沢山の新色ルビー・アップルグリーンなどが並び、見ていてワクワクしました。 お正月アイテムにも大活躍しそうな、マムも新色で展開されていましたよ。
モスのディスプレイが印象的なモノ・インターナショナルは PRIMAVERAやVERDISSIMO、VERMONTなどを扱うメーカーです。 各メーカーの新作もたくさんご紹介されていました。
フランス製、イタリア製などの上質なリボンを扱う、フローリストにも大変人気のメーカーです。またリボンだけではなく、ラッピングのご提案などもいつもとても素敵です。こちらの社長様は上品でいつもとっても素敵な女性社長。素晴らしい数々のリボンは当協会員さま含め大勢のファンがいます。
ポップな花束ラッピングが印象的で、足を止める方が多くいらっしゃいました。四谷にある東京堂の隣のビルにショールームがあります。
会場での小売販売をされている数少ないメーカーで、大盛況でした。 女子力高めなデザインが多くあり、たくさんの方がカゴいっぱいにお買い物されていました。 小売販売は、インターネットの楽天で販売しているそうですよ。ご存知ないお花の先生も多いかもしれません。http://www.rakuten.co.jp/lunaribbon/
●アミファ
プリザーブドフラワーや資材などを販売されている人気のネットショップです。 まるで路面店のようなディスプレイは大人気でした。 (商標登録もされている大人気の花時計も新作が出ていましたよ。)
●HDフラワーホールディングス
生花の販売をメイン行っていたそうですが、それに合わせた花器なども販売されています。
●シモジマ
ラッピング資材といえば「シモジマ」 ここ数年、花のラッピングだけではなく、海外メーカーの花器や造花なども 販売されている花業界でも注目の会社です。 そして今回はニコライ・バーグマンが先日このラッピングでお花を配ったという花キャリー。
お花を潰すことなく、ラッピングできます。 これなら持って帰るとき、「お花が潰れちゃった・・・」なんて心配もありません。これから注目されるかもしれませね。
●HOJA VERDE
こちらは、エクアドルの会社のブースで大輪のバラを扱っていました。 未だ、日本には出回っていないそうですが、もう間もなく日本でも販売されるそうです。 そして、なんとプリザーブドも販売されるそう!とても楽しみですね。
目が覚めるようなレインボーカラーの花たち。 こちらのメーカーは切り花の染め分けができる染料を販売されています。 大手資材メーカーの、松村工芸さんでお取り扱いあるそうですよ。
お花の配達代行をされているショップです。 またこちらでは、胡蝶蘭にペインティングもできるそうで、メッセージも入れられるそうです。御祝いなどに喜ばれそうですね。
多肉植物が並ぶ、可愛いショップです。 観葉植物なども卸販売されています。
ステンレス製のマグネットタイプのブローチです。また、ホルダーもセットとなっておりメッセージカードを挟みインテリアとしても飾れるそうです。
●市原産業
職人さんが着物の生地で手作りされているアートフラワー。 外国の方にも人気が出そうですね。横浜ディスプレイミュージアム様でも販売されていましたよ!現在、HP作成中だそうです。
【歩き疲れたら、ちょっと休憩】
会場内には,ご当地グルメレストランや売店そして、VIP招待者が使用出来るラウンジがあります。 今日は気になるVIPラウンジをご紹介します。
ラウンジに入るには、こちらの入館証が必要です。 珈琲やジュースなど無料でいただけるので、会場を歩き疲れたちょっとした休憩にオススメです。
VIPラウンジは会場の両サイドに2つありますので、混んでいる場合は、もう一箇所も覗いてみると良いかもしれません。
【おわりに】
いかがでしたか? 行けなかった皆さまにもお楽しみいただけましたでしょうか?
フラワー講師として学びも多く、仕事の出会いの場にもなるフラワーEXPO。 いつものアトリエで、お気に入りの花材に囲まれているとあまり気付かないですが、花業界は日々変化しています。 花に携わる私たちは、こういった機会に新しい情報を吸収し、それを生徒様やお客様に還元できるよう努力していきたいですね。
今回のフラワーEXPOもとても勉強になりました。 個人的な感想なのですが、以前はもう少し生花の大きなブースや華やかな展示場が多かったような気がします。 全体的にとても現実的なご提案が多かったので、花業界の流れや、買い手のニーズを改めて実感することができました。
来年のフラワーEXPOではどんな新しい出会いが待っているのか、今から楽しみです。