プリザーブドやアーティフィシャルの仏花は今とても人気で注目されているので、お花の仕事をしている方は、この時期を踏まて品揃えを強化したり、特別レッスンをすると良いかもしれませんね。
そこで今日は、今年のお彼岸に日程や、知っているようで以外としらないお彼岸について、ご紹介したいと思います。
お彼岸とは、仏教の用語で、あの世(三途の川を渡ると言いますが、川の向こう岸の仏様が住む世界)を挿します。
私達のいる世界は此岸(しがん)と言って、彼岸に行くためには徳をつまなくてはいけません。
仏様のいる浄土(彼岸)は西にあると言われているのですが、春分の日と秋分の日の中日には、太陽は真東から出て真西に沈みます。その為、お彼岸に浄土に向かって祈りをささげ、先祖を慰めて自分の徳を積むと良いと言われているのです。
大きな寺院では、彼岸会という大きな行事のひとつで、とても盛大に仏事が行われます。
お彼岸は「春」と「秋」の2回あります。それぞれどのように決めるかというと「春分の日」と「秋分の日」を真ん中(中日)にして、前後3日ずつ、合計7日間がお彼岸になります。
さらに春分と秋分は太陽黄経がそれぞれ0°と180°になる日と決められています。その為、春分の日は3月の20日前後、秋分の日は9月の23日前後と、その年によってかわってきます。
ちなみに、お彼岸の中日が徳を積む日、その他の6日は、彼岸へ渡る為の6つの修行「六波羅蜜」を1日ずつ行うと良いとされているそうです。
2017年のお彼岸は、以下の通りです。
特にこれ、と決まっているものはありません。
ただし、春彼岸には「ぼた餅」を食べる風習があるのですが、このぼた餅は「牡丹(ぼたん)餅」が由来とされていることや、この時期に多く出回ることから牡丹の花を飾る方は多いようです。
金盞花を彼岸の花として挙げる方もいらっしゃいますが、これは戦後に、価格が安価で長く持つ金盞花が多く流通し、仏花と重宝がられていたことによります。最近では、仏花のイメージが強くなりすぎて、花が大量に出回る彼岸や暮などにしか見かけなくなってきました。
秋のお彼岸なら「彼岸花(マンジュシャゲ)」が有名ですが、実際に切り花としてお供えする方はあまりいません。
昔、お墓の回りにねずみやもぐら避けとして根に毒のある彼岸花を植えていたのですが、これが秋彼岸の頃に満開になる為、彼岸花と呼ばれるようになり、秋の花の代名詞にもなっています。
このように、ご先祖のお墓や仏壇へのお供えであれば、故人がお好きだったものや長持ちするものなどで、手に入りやすいものをお供えすれば、特にこだわらなくても大丈夫です。
ただし、花のオーダーを受ける場合は、バラやトゲのある植物に対しては賛否両論があるので(仏教的には禁忌とされていませんが、不快に思われる方もいます)、その旨をお伝えしてからご依頼を受けると良いですね。
自宅にご仏壇が無いと、ご先祖への感謝の気持ちをあらわす機会はとても少ないもの。せめてお彼岸やお盆にはお花を持って、お参りに出かけたいものです。