シャンペトルとは？

フランス語で「田舎風」「田園風」を指します。

一般的なブーケの場合は、スッキリと束ねることが出来るよう、花首から下の葉をきれいに整理してしまうのですが、シャンペトルブーケの場合は、葉を整理しすぎないようにして、花だけではなく、緑をたっぷりと足してザックリとブーケを束ねていきます。

その姿が、まるで野原から摘んできた花を束ねたうように見えることから、田舎風、田園風と呼ばれるようになりました。

エピソード

フランスのフローリスト・クリスチャントルチュが始めたとされる「シャンペトルブーケ」。

その当時（といってもそれほど昔ではありませんが）、パリでは、これまで主役ではなかったグリーンをたくさん入れ込んだブーケは斬新だったそうで、パリのみならず、今では世界を席巻してしまいました。

そんなシャンペトルブーケは、トルチュのトップフローリストとしての地位を確固としたものに導いたと言われています。

四季折々の花に、たっぷりのグリーンや実ものを組み合わせて束ねていくシャンペトルブーケは、植物の持つ本来の姿や形を生かしたデザイン。

元々花が大好きなパリの人々に愛されるようになったのも納得です。

トルチュについてはこちらの記事もぜひご覧下さい。
＜世界の花の巨匠紹介シリーズ（２）クリスチャントルチュ

トップフローリスト、ヴァンソン・レサールにレッスンを受けました

冒頭で申し上げましたが、Parisで現在、もっとも注目されているトップフローリスト、ヴァンソン・レサールにシャンペトルブーケのレッスンを受けたことが何度かあります（Yumi Saito氏にオーガナイズしていただきました）。

ヴァンソンはトルチュの黄金期を支えたスタッフで、トルチュのシャンペトルのエスプリを色濃く受け継いでいるフロリストの１人です。

ヴァンソンが持つと、軽々と見えますが、私達日本人にはかなり大きなシャンペトルブーケ。

バインディングポイント（束ねる位置）や葉の払い方など、細かいことをしっかりヴァンソンに教わったことで、洗練されたシャンペトルブーケを仕上げることが出来ました。

シャンペトルに使うもの

ランジス花市場（ここはフローリストが重宝しているグリーン専門の仲卸）では、シャンペトルブーケによく使われるグリーンをグラミネと呼びます。

グラミネは、もちろんどんなものを使ってもかまいませんが、写真にも写っているユーカリ類は匂いも良くて丈夫なので、良く使われるグラミネの１つ。

(出典：http://burnettsboards.com/)

ジャスミンやソケイも、動きが出しやすいのでシャンペトル向きの素材です。

（出典：https://www.instagram.com/)

ニゲラは葉、花、実とどれも良く使われています。
（出典：http://www.tinekefloraldesigns.co.uk/）

人気がある素材はやはり実付のもの。木苺や・・

スグリ、ノイバラなど。

秋にはブドウの葉と実を入れ込んだりもします。たわわな実物が入ると動きも出ますし、彩りも美しくなるので、良くシャンペトルには使われています。

また、麦の穂やコバンソウ、エノコログサなどのイネ科、ムギ科の植物など、いかにも「田舎風」にふさわしい植物もシャンペトルの素材として人気があります。

シャンペトルブーケの画像

それではシャンペトルブーケの作例をご紹介いたします。

（出典：http://www.100layercake.com/）
（出典：http://www.weddingchicks.com/）
（出典：http://www.swoonedmagazine.com/）
（出典：http://www.stylemepretty.com/）
(出典：http://www.inspirestyling.com/）
（出典：http://stoneblossomflorals.com/）
（出典：https://jp.pinterest.com/）
（出典：http://www.colincowieweddings.com/）
（出典：http://www.stylemepretty.com/）
（出典：http://www.avenuelifestyle.com/）
（出典：http://www.modwedding.com/）
（出典：http://www.modwedding.com/）
（出典：http://stoneblossomflorals.com/）
（出典：http://stoneblossomflorals.com/sbnew/bouquets.html）

終わりに

いかがでしたか。うっとりするほどきれいなシャンペトルブーケの数々。

植物本来の姿を楽しみ、四季を身近に感じることが出来るのがこの花の魅力です。

グリーンが本来持つ姿や色、特性に美を見出し、丁寧に、葉を払い、枝を溜め、束ねていく。

このブーケをブライダルシーンや暮らしに取り入れる人が増えているということは、自分らしい生き方や時間を楽しむ人が増えてきている、ということに通じるのかもしれませんね。

丁寧な暮らしの中で、手間がかかっていながらもナチュラルに見える上質なシャンペトルブーケを作ってみたい方はコチラをご覧下さい。

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