こんにちは!町田市「フルールベネット」主宰の通地です。
日本にはあまり馴染みのない植物「ヤドリギ」
欧米ではとってもポピュラーでクリスマスでも活躍しています。
ヤドリギはクリスマスイブの誕生花で、名前にある通り他の樹木の栄養をもらって生きる寄生植物です。
寄生といっても取りついた植物を枯らしてしまうことはありません。
欧米ではクリスマスを象徴する植物として広く知られています。
冬に葉が落ちた高木の上の方で緑色の玉のようなものがヤドリギです。
早春に黄色の花が咲き、秋に丸い実をつけます。
ここ日本でも普通に自生している植物です。
ヤドリギは地に根を張っていないのに、一年中青々とした姿を保っているのが特徴です。
その姿から生命力の強さや神秘的な力を感じさせ、欧米の人々にとって再生や永遠の命(不死)のシンボルとして、様々な神話や伝説を生みました。
日本でクリスマスに登場する植物といえば、まずクリスマスツリーとして親しまれている桜の木があげられます。
それに続くものとして、まるで花のように葉が赤くなるポインセチア、そして常緑で葉にトゲのあるヒイラギではないでしょうか。
どれもクリスマスに関係する植物ですが、実は聖書にはどれも登場してこないのです。
現在、クリスマスツリーに針葉樹を使う国は数々ありますが、桜の木を使うのはその一部で多くはトウヒが用いられます。
またポインセチアがクリスマスに使われるようになったのは19世紀の後半からで歴史が浅く、メキシコ原産の熱帯植物で寒さに弱いためでしょうかアメリカや日本、そしてドイツなどでの一部の地域で見られるだけです。
そして日本におけるヒイラギにおいては姿形が異なるまったく別の植物が代用されています。
ちなみに日本のヒイラギは柊と書き、モクセイ科の植物ですがクリスマスに欧米で用いられるヒイラギはモチノキ科の植物でホーリー(西洋ヒイラギ)と呼ばれています。
共に葉にトゲがあるのですがモチノキ科のヒイラギには緑の葉に赤い実の成るホーリーはまさにクリスマスを代表する植物です。
しかし、クリスマスには植物を飾る本場ヨーロッパや北欧ではさらに重要な植物がいくつもあります。
例えば月桂樹やローズマリー、リンゴや桜桃(サクランボ=バルバラの枝)などは伝説にも登場するクリスマスにはなくてはならない植物です。
ヤドリギはとても精神的な象徴が強い植物で、クリスマスにとても関係が深いです。
クリスマスになると玄関や窓辺、天井につるしたりスワッグやクリスマスアレンジに取り入れたりして、様々なところに飾られます。
この吊るしたヤドリギの下を通ることで不死の力を得るという伝説もあります。
しかし、一か所だけ飾ってはいけないところがあるのです。
それはなんと教会。
実はヤドリギはクリスマスの時期だけでなく、一年中悪魔よけとして軒下や家内に吊るす習慣があります。
ケルト人やゲルマン人のあいだでは神聖な木として崇められ、春を迎える祭りにも使われました。
ケルトの司祭であるドルイドは、ヤドリギに特別な力があると信じていました。
ケルトの伝説によるとヤドリギは「不死・活力・肉体の再生」を表すシンボルだったとされていて、ヤドリギが生えている木には神が宿っているといわれていました。
それゆえ、教会への持ち込みが今でも許されていません。
北欧では悲劇的な神話に登場する一方で妖精を思わせる愛らしさで人々に親しまれています。
また、ヤドリギの木の下でキスをするとその愛は永遠に守られると言い伝えられています。
ヤドリギには「愛の木」という側面もあります。
クリスマスの季節に、ヤドリギの下に居る若い女性はキスを拒むことができない、という言い伝えがあります。
もし、キスを拒んでしまうと、翌年は結婚のチャンスが無くなってしまうというのです。
この言い伝えが発展して、恋人同士がヤドリギの下でキスをすると結婚の約束を交わしたことになり、ヤドリギの祝福が受けられるということになったようです。
キス以外にもハグをするとヤドリギが持っている幸運と長寿の力を得ることができるともいわれています。
これは家族や友人との間でも行われるそうです。
キスやハグの習慣があまりない日本にとってはこの為もあってなのかヤドリギはあまり一般的ではありません。
欧米の文化に沿って伝えられたヤドリギの力。
冬の間どこかで見かけることができたらぜひ思い出してみてください!
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