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「本当に夏場の水やりが楽になった」仏壇がある世代に好評 〜枯れない仏花をプレゼントする時に気を付けたい5つの注意点〜

2016.03.09
投稿者:fujie

核家族が進んだことで、祖先を供養する機会や習慣を持っていない家庭が多くなってきたと言われています。

でも、誰にでも別れの時はやってくるものですよね。。

ある日突然、大事な家族が先立ってしまった時、私達ははじめて故人と過ごした時間がどんなに大事だったのか学ぶのかもしれません。

家族の遺影に花を手向ける時の気持ち。それは感謝の気持ちだったり、今は遠く離れた場所にいるけれど生前と同じように美しい花を眺めて癒されてほしいという想いだったりします。温かい思い出の日を偲ぶ時の気持ちは世界共通で、宗教や時限を超えた習慣だなあと思います。

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マンションでの仏壇保有率は15%

―理由1位は置き場がない―

こちらをお読みになる皆様の中には、ご自宅にお仏壇がないという方が大勢いらっしゃると思います。

特に都内ではマンションに住んでいる人も多いのですが、「マンションでの仏壇保有率は15%」というアンケート結果があります。

仏壇を置かない理由1位は「置き場がないから」なのですが、マンションに住んでいる私も納得の結果です。本当に置き場ってないのです・・

ですが、こちらの農林水産省の統計を見てください。

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(出典:農林水産省 http://www.maff.go.jp/

 

―花の消費を支えている高齢層―

上の表を見ると、日本の切り花市場全体では消費額が減少しているものの、60歳以上の切り花消費額は依然として高い傾向にあることがわかります。

日本では高齢層が花の消費を支えているのですね。

人の一生のうち、結婚式は1回(まれに数回する人もいますが)ですが、仏花を飾ったり、葬祭で花を出したりと、故人には人生の中で数えきれないほど花を捧げます。

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現代では故人の供養の方法や考え方が多様化しているのに加え、住宅事情からお仏壇を持つ家が少なくなりましたが、それでも先祖に花を手向ける習慣を持っている60歳以上の世代は、切り花をコンスタントに購入していることがうかがえます。

つまりそれは葬祭等に関する花の需要は、供養の方法が多様化している現代にあっても少なからずあるということを示しています。

 

水やりの手間が省けるのが人気の理由

―大手花屋も仏壇市場に参入―

日本の花の消費は、年齢別の統計を見ると結婚式ではなく「供養での花の使用が多い」ことがわかっています。

仏間が無い現代の住宅事情では、何世代分もの位牌が入る大きな仏壇に、豪華なお供えの花(左右で合計4つ飾ることも)とお供物を、絶えることなく飾る・・というのは難しいのですが、例え小さくても仏壇を飾り遺影にきちんとお供えをしたいというニーズは多いようです。

仏具屋さんを訪れると、小さくてセンスの良いインテリア仏壇が入り口の近くのスペースを埋めていることからも、ミニ仏壇が市場では主流になってきていることがわかります。

そんな需要を背景に、つい先日、大手花屋からこんなセットが発売されました。

「ニュース:生花販売大手の日比谷花壇 小型の供養セット発売」場所を取らない仏壇をキャンドルとプリザーブド仏花のセットで21,600円販売開始
http://www.hibiyakadan.com/memorial/kuyouset/

宗教などにとらわれずに自分なりの供養を行いたい方向けの仏壇セットで、あらかじめプリザーブドの仏花がセットされています。

こちらのお花屋さんは、ご存じの通り生花がメインのお店です。それなのになぜプリザーブド?と一瞬首をひねりましたが、自社だけでなく、大量に商品を流通させることを前提に考えた場合ると、作り置きと保管、梱包ができるプリザーブドアレンジに軍配があがったのではないでしょうか。

ですが、理由はそれだけではなさそうです。

―プリザーブドフラワーや造花の仏花が人気の背景4つ―

小型の仏壇が主流となる中で、同じように「枯れない」プリザーブドフラワーや造花の人気も高まっています。これは、一昔前には考えられなかった現象です。

では、どのような理由でプリザーブドフラワーの人気が高まってきたのでしょうか。
理由は主に以下の4つです。

●足腰に自信がなくなり、毎日の水やりが大変になってきた人が増えたこと(高齢化社会)

●夏場は花が持たないので、プリザーブドフラワーを飾って枯らさないことで気持ちが楽になったと気づく人が増えた(日本の季節の問題)

●昔に比べて、プリザーブドフラワーや造花のクオリティが高くなり生花と見た目がかわらなくなってきた
(質の向上)

●仏花や宗教のしきたりを気にする人が少なくなってきた
(宗教の多様化、菊などに拘らず故人の好きだった花を飾ってあげたいという人が増えた)

―プリザーブドフラワーの認知度と共に特性が理解されはじめました―

ここ数年ほどで、プリザーブドフラワーの人気と認知度はかなり高まってきました。

母の日などにプレゼントされる機会が増えたことでプリザーブドフラワーの特性が理解されるようになったのです。

ご高齢者の方は、頂き物を仏壇に飾って「いただいたわよ~」と故人に報告する習慣があります。

プレゼントされたプリザーブドフラワーもそんな風に仏壇にお供えし、そのまま置いているうちに、これは水遣りの必要がないし、きれいだし、いうことないよねと気が付き、仏壇用に仏花をお求めになる方が増えてきたようです。

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また、プリザーブドフラワーは高級品という意識を持っている方も多く、高級なお花をお供えすることは故人の慰めになるというとらえ方から、仏壇にプリザーブドフラワーを飾ることが人気となっています。

「仏壇を持つ世代が高齢化したこと」「これらの高齢層が日本の花の需要を支えていること」によって、人気となっているプリザーブドフラワーや造花の仏花。水遣りの心配がなく、枯れずに楽しめるという点が高齢者のニーズにマッチしたといえます。

生花と違って枯れないなど良い面がたくさんあるプリザーブドフラワーですが、思わぬデメリットもあります。

宗教のマナーに関しても、受け取る側が「気にしない」といえば問題はありませんが、送る側は最低限のマナーを知っておいた方が良いでしょう。

 

花を送る時にこれだけは気を付けておきたい5つの注意 

―仏花を送る時の注意点5つ―

(1)プリザーブドフラワー仏花の注意
漆(うるし)が塗られている仏壇の場合、プリザーブドフラワーの溶液と漆が化学反応を起こして、まれに漆がとけてしまうことがあります。

漆塗りでなくても、仏壇には上質の木材が使われていますので、色移りも含めて十分な配慮が必要です。

仏壇にプリザーブドフラワーが直に触れないよう注意しましょう。

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誰もいない時に地震などでアレンジが倒れてしまった時や、小さな仏壇の中でアレンジが押されて気がつかないうちに内側の壁についてしまった時のことを想定して、プリザーブドフラワーが直接ふれないように、造花の花や葉でうまくカバーされているものが良いでしょう。

(2)仏壇の大きさに注意
仏花は仏壇に飾るものです。仏壇はマンションサイズのコンパクトなものや、漆塗り金箔張りの豪華で大きなものまで、サイズは様々です。

うるおぼえの実家の仏壇サイズは、大きいように思っていても、中には位牌や過去帳、お供えなど色々なものが入っているので、お花を入れるスペースは実は意外とないことがほとんどです。

せっかくの仏花が大き過ぎて飾れない、ということのないように必ず送る先の仏壇のサイズの確認をしましょう。

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(3)仏花の形
正式にはシンメントリ―に飾るのが基本です。

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ご家庭の仏壇の場合、中央には宗派ごとにお供えしてる仏像を置いたり、仏様を書いたお軸を掛けます。

その仏様にお供えするのが本来の仏花で、写真のように(写真の場合は金の蓮)左右対象(シンメトリー)に仏花を供えます。大きめの仏壇をご用意されているお家用であれば、左右2つ、仏花をペアでお送りするのが正式です。

とはいえ、お花をお供えするというのは気持ちの問題です。ご自宅用などであればあまりこだわらず、楽しみながらお花を飾っていただくことで、故人も喜んでくださることでしょう。

 

(4)花の色と数
花の色合いも「白、黄色、赤、紫、ピンクの5色」または「白、黄色、紫の3色」が仏花にはふさわしいとされています。

ピンとくる方もいると思いますが、スーパーなどで売られている仏花セットはまさのこの色合わせですね。

それでも最近では故人の好きな色を入れたいというご要望が多く、色合いに関してはしきたりを気にする人が少なくなりました。宗派やお住まいの地域によっても色合わせは様々です。

花の数は、3.5.7と奇数が良いとされています。これは陰陽道の影響で、1〜9までの奇数を「陽」ととらえ、縁起が良いという考えに基づいています。

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(5)花の種類
トゲや香りの強いものはタブーとされています。
菊、カーネーション、デンファレなどが基本ですが、こちらも故人の好きな花で送ることが多くなってきました。
(*地方や宗派によって決め事が違います。)

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生花の場合は香りの強い花やトゲのあるバラや血を連想させる赤い花はタブーとされていますが、最近は、故人の好きな花や好きな色を飾ることが何よりの供養と考える方が増えてきました。

実際にバラだけで会場を飾る「バラ葬」なども行われています。

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WEBサイト:高級花祭壇 – 葬儀社アーバンフューネス
(出典:http://www.urban-funes.com/plan/hanasaidan/special/#ad-image-34)

 

こちらはバラ・ユリ・トルコキキョウを使って、ご自宅のリビングをイメージした祭壇です。

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WEBサイト:高級花祭壇 – 葬儀社アーバンフューネス  
(出典:http://www.urban-funes.com/plan/hanasaidan/design/#ad-image-23

このように昔と違い、考え方もかなり自由になってきたようです。

ただ、中にはマナーに厳しい方もいらっしゃいますので贈られる場合や、お客様にご説明する際には失礼にあたらないようにお気を付け下さい。

大切な人が水やりに苦労していたら・・

遠く離れた両親や、大切な人にはいつまでも元気でいてほしいものです。特に齢を重ねて体が不自由になってきた両親たちへの心配はつきません。

大切な人たちが小さな花瓶の毎日の水替えにさえ苦労するようになってきていたら、プリザーブドフラワーや造花の仏花を夏場だけでもと言って贈ってあげれば、きっと「気持ちが楽になったよ」と喜んでもらえるかもしれません。

そして、心を込めて贈るお花であるからこそ、素敵だね、きれいだねと言って喜んでいただけるよう、贈る側である私達自身、マナーや注意するべきことを知っておいた方が良いと強く思います。

大切な人に本当に喜んでもらえる仏花を選んであげてくださいね。

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Living in Tokyo / floral designer

フラワーエデュケーションという花協会で花の楽しさを伝えています。古くて美しいもの、手作業の心躍る時間が大好きです。