あけましておめでとうございます!新年を迎えましたね。
1月といえば成人式。若い女の子たちが思い思いの振袖を着て笑顔でいる姿はとてもいいなあと思います。
各地会場で行われる講演会やパーティで和装した同級生たちと再会できるのも楽しみのひとつですよね。もはや私には遠い記憶過ぎてうろ覚えですが・・
成人式をその年のゴールデンウィークやお盆に行っている地域もあるようですが、フラワースクールをしていると12月から1月にかけて生徒さんたちからこんなお声が聞こえるようになります
こちらをお読みになっている方の中にも、もしかしたら髪飾りを作ることを頼まれて困った経験をお持ちかもしれません。
成人式はご本人にとっても両親にとっても一生の記念になります。ぜひとも振袖に似合う髪飾りで素敵な成人式を迎えていただきたいですよね。
今日は、「振袖に似合う髪飾りを作る5つのポイント」をご紹介いたします。オーダーを受ける際にはぜひとも参考になさってください。
後編では「2種類の髪飾りの作り方」もご紹介いたします。今回は成人式をイメージしていますが、七五三さんの髪飾りでも活用できてしまいます。
お嬢様がいらっしゃる方は七五三のお衣装に合わせてぜひ作ってみてくださいね。
どんな色の髪飾りにするか?これが一番迷います。お店に買いに行ってもたくさんある髪飾りの中から似合う一品を選ぶのはなかなか難しいもの。
だから、オーダーをする時なんてもっと悩んでしまいます。
そんな時のポイントは「着物の柄や色に合わせる」ということ。これが一番重要です。
オーダーを受けた時は必ず「振袖」の色の確認をとり、ご本人に「振袖の色に合わせるといいですよ」とアドアイスしてあげてください。
【一番の基本は着物の地の色に合わせること】
赤系の振袖の人は赤い髪飾り、オレンジの人はオレンジの髪飾り等々、着物の地色に合わせると、ぐっとバランスが良くなります。初回の打ち合わせでどの色が良いか迷っている人には教えてあげましょう。
【柄の一部に合わせるのもOK!】
着物の地色に合わせなくても、柄の一部に髪飾りの色を合わせたり、帯締めや帯揚げの中の色に合わせても実は素敵なのです。
この写真のように柄の色に合わせてもOK。振袖の中のポイントの色に合わせて髪飾りを選ぶとオシャレな印象になりますよ。
【迷った時は、白や金、銀で】
色合わせに迷ってしまった時は、万能選手の白、金、銀の髪飾りを選ぶと良いでしょう。どんな着物にも合わせられるので、間違いがありません。
オーダーを受ける際は、口頭だけでのやり取りは危険です。
例えば「赤」という色でも、明るい赤なのか、黒に近い赤なのか様々。色や柄のとらえ方は非常に個人差があります。注文を受ける時には実際の写真を見せて、感覚に頼らない方法でやり取りした方が失敗は少ないでしょう。
●髪飾りのオーダー製作を頼まれた人は・・
→ 製作の前には振袖の写真をもらって柄や色を必ず確認しましょう
●オーダーを頼む人は・・
→ 作ってもらう人にはイメージに近い写真を送りましょう
制作者はオーダーを受ける時には、髪飾りの形やタイプを把握しておかないといけません。
フラワースクールであれば、花飾り系は得意だと思いますが、かんざしやつまみ細工などを作れる人はそれほどいないと思います。
自分が作れるものと、作れないものを把握されておくのが良いですよ。まずは様々ある髪飾りの種類を簡単にご説明いたします。
最近の一番人気は、お花がたくさんついた髪飾りです。大小のお花を華やかに使った、やや大振りなものが最近は若い女性に人気です。
かんざしの上部にお花を付けたもの。
クラシックな雰囲気のつまみ細工などで作られたものが人気です。大きな花飾りに、かんざし系の髪飾りをプラスした重ね付けするのがオススメです。
コーム型の髪飾りは、ちょっとおとなっぽい雰囲気だったり、クラシカルなべっ甲風のものが多いので、こちらもかわいいお花系にプラスすると個性を出すことが出来そうです。
ちりめん系の布で作られたリボンがついた髪飾り。
リボンに目の無い女の子達に根強い人気です。
卒業式の袴や、七五三などの時にはこのリボン系がかわいらしくてオススメです。
お洋服にもトレンドがあるように、振袖にも流行があります。髪飾りはお好みなら何でも良いというわけではなく、振袖に合ったものを身に付けることがコーディネイト上手への近道です。製作する人は、流行っている振袖をチェックして、ご本人のお好みとうまくマッチさせてあげましょう。
~振袖、今年の流行は?~
ただ、着物は洋服に比べるとお値段がまったく違うこともあって、流行のサイクルも数年というような単位ではほとんど変化しないのが特徴です。
そんな中でもやはり多少の移り変わりは見られます。
20~30年前には「現代モダン柄」が一世を風靡しました。現代モダンとは、江戸時代には無かったお花(剣咲のバラなど)や、幾何学模様、リボンや虹、キラキラをかけたようなデザインなどが特徴です。
この現代モダン柄は、最近ではやや下火になってきているようです。とはいえ、109系のブランドなどが現代モダン柄の着物を発信していますし(ギャル系メイクの方には現代モダン柄の着物、似合いそうですよね)、古典柄が好きでない人もいらっしゃるので、まだまだ根強い人気があります。
最近の流行は「古典柄」です。それも、柄がやや大きめで個性的な古典柄の着物が人気を集めています。
また、個性的な女性から人気を最近集めているのが、大正ロマン着物です。ポップなカラーを使い、意匠的にデザインされた花が大きくプリントされています。ガーリー系ファッションが好きな方などに、人気がありそうですね。
花系髪飾りのオーダーの場合、大きさのご希望をしっかり確認しておきましょう。
最近は華やかに大きめな髪飾りを和装につけるのが流行っていますが、逆にほとんど付けたくないという方もいます。これは好みになりますが、オーダーを取る際には、10㎝だとこの位のお花、20㎝だとこの位のお花と言ったように、見本を実際に頭につけながらお客様に確認していただき、オーダー票には必ず花のサイズを書き入れておくことが重要です。
花の種類もきちんと確認しておきましょう。
名前を勘違いしている場合もありますし、一口に菊と言ってもアナスタシアや玉菊では全く形やボリュームが違います。また、百合なども形や大きさ、色などで印象がずいぶん異なりますね。
口で説明するだけでなく、できるだけ具体的なイメージをお互いに提供することをオススメいたします(オーダーする側は参考写真、オーダーを受ける側は使用花材のカタログ写真など)。
花の輪数も、使用する花のサイズと一緒に確認しておきましょう。
流行の百合の髪飾りなどは、1輪をUピンに留めたものを4輪、5輪と納品し、それを美容師さんがヘアセットしながら付けていくので、髪型によっては必要数がずいぶんかわってきます。髪型が変更になる場合などを考えると、少し多めに注文しておいていただくと良いかもしれませんね。
小花の混ざり具合などでもボリュームが変わってくるので、オーダーを受ける方は、写真資料をなるべく多めに用意して、よりお客様のイメージに近いものを探していただくようにすると、トラブルが少なくなると思います。
髪飾りをオーダーする際、受ける際の注意点についてご紹介いたしました。
オーダーを受ける際には、チェックリスト方式の注文表をあらかじめ作成しておき、それに沿ってご希望を聞いていけば、聞き忘れもありませんし、一緒に写真資料などもファイルしておくと、わかりやすいのではないかと思います。
髪飾りは、どんな土台(コーム、ボンネ、バレッタ等)を、どんな花に、どのような留め方で使うのかがわかってくると、意外と簡単に作ることができます。
もしオーダーをいただいたら、ぜひチャレンジしてみて下さい。おめでたいお祝いの席で、自分の作った髪飾りを付けていただけるのはとても光栄で、やりがいのあるお仕事になると思います!
次はアーティフィシャルフラワーと和柄のリボンで作る髪飾りレシピをご紹介いたします。小さな女の子が七五三の時に身に付けてもとても可愛いですよ。基本の作り方さえ覚えておけば、あとは応用。ご自身のオリジナルでアレンジして素敵な髪飾りを作ってみてくださいね。
明日公開予定>【成人式】振袖に似合う髪飾りを作る4つのポイント~花飾り・和柄リボン飾りの作り方~