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8月はお盆なので仏花フューネラルフラワーの基礎知識を

2017.08.12
投稿者:fujie

花業界の流行は大変移ろいやすく、フラワーデザイナーやショップを運営している方は、常にアンテナを張っていないと、知らず知らずのうちに、時代遅れのデザインや商品を発信していることになりかねません。

日頃から国内はもちろんアジア・ヨーロッパの花事情を視察している私が、花業界で今、一番勢いのある分野を聞かれたら迷わず「フューネラルビジネス」と答えます。

「フューネラルって何?聞いたことない」という方に、本日はフューネラルフラワーのトレンドについてご紹介いたします。

フューネラル(Funeral) とは?

フューネラルとはお葬式や告別式、弔い、礼拝などという意味。最近では、仏事のビジネスを総括して「フューネラルビジネス」と呼ぶこともあります。

フューネラルフラワーと言えば、お供え花のことになります。

フューネラルフラワーはプリザーブドフラワー業界でも数年前からかなり需要が増えていたのですが、最近ではこちらに特化した専門スクールなどが出てくるほどで、注目度が一層高まる存在となりました。

理由はいくつかありますが、高齢化に伴いブライダルよりも需要が高いことが一番の要因だと思われます。 またプリザーブドフラワーやアーティフィシャルフラワーのお供え花は水替えや取り換えなどのお手入れが必要ありません。ご自宅でお仏壇に花をお供えされる世代の方にはこの点が魅力的で、躍進の理由に繋がっていると思います。

フューネラルフラワーはすごく注目されているビジネスではありますが、ご自宅で葬儀を行われた経験のない、比較的若い世代の方には、仏事のマナーやお供え花の基礎知識をご存知ない方が多いようです。

先日、あるフラワーデザイナーさんとお電話でお話しする機会があったのですが、電話の切り際に「今さら恥ずかしいのですが…仏花と供花の違いは何ですか?」と質問してくださいました。確かに実際に花や葬祭の仕事をしていない方には難しいかもしれません。 

仏花

基本的にお仏壇や墓前にお供えする花です。一対(2束/セット)で飾る場合が多いこととそのスペースから縦長のデザインがほとんどです。

供花

四十九日や一周忌などのご法事にお仏壇にお供えする花です。四十九日までは「白上がり」と言って白・グリーンを基調とした花を贈るのが日本では一般的です。 ただ、仏教では色や花の禁忌は本来は無いそうで、習慣的なもののようです。

弔花

弔花(ちょうか)とは、葬儀の時におくったり飾ったりする花の総称です。

東京では家族葬が殆どになってきたのであまり見かけなくなりましたが、花輪も弔花に含まれます。

使用する花の種類は?

良く使われるのは、輪菊・小菊・マム(洋菊)やアイリス・スターチス・グラジオラス・ユリ・リンドウなどが一般的です。最近ではカラーなどもみかけるようになってきました。 

生花の場合は香りの強い花や、トゲのあるバラや血を連想させる赤い花はタブーとする地方もあるようですが、上で少しふれたように、この花はダメ、この色は良いという決まりは実は仏教には特には無いそうです。

ですが、上で上げたような花が良く使われるのはなぜかと言うと、年間を通して手に入りやすいことや、価格が安定していて比較的安価なこと、花持ちが良いことなどが理由としてあげられます。

最近は、故人の好きな花や好きな色を飾ることが何よりの供養と考える方も増えてきました。 実際にバラだけで会場を飾る「バラ葬」なども行われているようです。 

このように昔と違い、考え方がかなり自由になってきたようです。 ただ、中には、昔ながらの仏花でないと不快と感じる方もいらっしゃいますので、贈られる場合やお客様にご説明する際には失礼にあたらないようにお気を付け下さい。

造花はNG、常花はOK??

「すぐに枯れてしまうから生花は飾れない」と仰るご年配の方にも安心してお供えしていただけるのが、プリザーブドフラワーやアーティフィシャルフラワーです。 これまでは、『お供え花=生花』という固定概念がありましたが、昨今は水遣り等お手入れの必要が無いプリザーブドフラワーやアーティフィシャルフラワーのお供え花の人気が急上昇しています。  

え?造花なんて仏様に失礼よね、という方もおいでになるので、そうした方に無理にアーティフィシャルやプリザーブドで作った造花をオススメしてはいけませんが、実は仏花は生花でなければきちんとしていないというわけではありません。

なぜなら、仏具のひとつ「常花(蓮の花)」は主に金属でできているのですが、仏具として最高の装飾品のひとつとされているからです。常花は「枯れない花」「永遠に咲き続ける花」のことで、極楽浄土の花を表すといわれています。

石油製品が発達していなかった時代には、造花やプリザーブドフラワーなんて夢のまた夢だったことから、金属製の花がつくられたわけですが、命が短くて当たり前の花に、永遠を求めるのは今も昔も同じといえそうです。

仏花の場合、拝む方が不快になるものはやめておきましょう、と言います。仏像やご位牌にお参りされる時に、心穏やか に手を合わせることが出来るようなお花が望ましいのですね。

おわりに

日々の生活のなかで花を必要とする場面は様々ですが、なかでも故人を偲ぶ時の花は欠かすことができません。 お彼岸などに向けてフューネラルフラワーに力を入れる方もたくさんいらっしゃると思いますので、本日の情報が皆さまのお役に立てば幸いです。

 
 
 
 
 
 
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