前編では、「花の色移り」についてお話しました。
<(前編)プリザーブドフラワー最大の欠点「花の色移り」「湿気」の対処法
後編は、プリザーブドについてしまう迷惑な湿気についてです。
雨がじめじめと数日降り続くと、プリザーブドフラワーが湿気を帯びてしまうことがあります。梅雨や、湿度がぐぐっと上がる夏は、保存に注意しなくてはいけません。
こちらは箱から出したばかりのフレッシュなプリザーブドローズ。
同じ箱から出した別のローズを、人工的に湿度を高くししばらく放置したものがこちらです。
わかりにくいので黒いバックの上で確認しましょう。わかりますか?花びらが湿気を吸って透けてしまっています。
左が何もしていないローズ、右が湿気を帯びさせたローズです。
この湿気による透けは、花びらが折れていたり何らかのダメージが加わっている部分により鮮明に出やすい傾向にあります。
梅雨や長雨の季節には、この透けが点になってまるでカビのように現れたり、もっと全体がスケスケになってしまうこともあります。
上のように透けてしまった場合、何も処置しないまま、夏を越して秋を迎え、からっとした日が続くと、気が付けばすっかり元に戻っていることも。
反面、いつまで経っても戻らずに透けたまま・・ということもあります。こうなったら、見た目がかなり悪いので差し替えたり、アレンジ自体を廃棄ということになります。
湿気た状態で油やホコリが付くとシミの原因にもなりますし、同じアレンジが2~3年、透けたり戻ったりを繰り返すと、数年後にとうとう戻らなくなってしまったこともあります。ダメージが蓄積されることによって、シミになってしまうのです。
その為、出来るだけ、ダメージを受けたらすぐに回復させる、またはあらかじめダメージを受けないようにしておくと、お花をより長く楽しむことができます。
では、湿気を避ける方法についてまず考えてみましょう。
湿度やホコリによるダメージが気になる方は、クリアケースにアレンジメントを入れたまま保管しましょう。
ケースに入っているだけでも、ダメージはかなり有効です。クリアケースに入れておくだけでも、長持ちに繋がりますので長くお花を楽しむことが出来ます。
水分は空気より重いので、天井よりも床近くの方が湿度が高くなる傾向があります。材料を長期保存する場合は、床に直置きは避けて、棚などで保管ましょう。
マンションなどは気密性が高いので、お部屋の場所によっては1年中、湿度が高いなんていうことも。そんな時は除湿機を使います。
湿気からプリザーブドフラワーを守るために普段、私が行っている保管方法をご紹介します。
風通しが良くなるようにワイヤー製のラックに積み重ねて、1年中除湿機を回しています。
大きめの除湿機ですが、毎日びっくりするほどの湿気が溜まります。(出典:プリザーブドフラワーの保管方法 )
お手軽なのは、除湿剤や調湿材をボックスの底や、アレンジの見えない場所にそっと忍ばせておく方法です。
お菓子に入っているシリカゲルは、お値段もお手頃。1つ5円前後で購入できます。サービスとしてアレンジに入れても良いですね。
(出典:ローズの花びらが透けてきたときの対処方法)
「持っているプリザーブドのアレンジが透けちゃったんだけど、もうダメよね?」というご質問を良くいただきますので、今日はそんな時の対処の方法をお教えいたします。
市販されている除湿剤を使って湿気を吸いとる方法です^^
除湿剤とアレンジを一緒に、密閉できるケースに入れます。フタをしっかり閉め、このままの状態で数日から1週間くらい置いておくと、花びらの透けが元に戻ってきます。長期間入れておくと乾燥しすぎて、花切れしますので注意してください。(出典:ローズの花びらが透けてきたときの対処方法)
湿気は花びらが透けるだけでなく、空気中の汚れや油分がつくことでカビのような黒いシミになったり、色移りを誘発したりすることもあるので、プリザーブドにとっては大敵です。
除湿機からシリカゲルまで、状態に応じてうまく使いわけて湿気とさよならし、お花を長く新鮮な状態で保っていきましょう。
お花の知識をしっかり学びたい方には、『プリザーブドフラワーアドバイザー検定』もオススメです。湿気対策についてもご紹介しています。