それでは、日本で一番大きな花き市場「大田花き市場」で生花を購入する方法をご紹介します!
<<<花講師は生花店ではなく花市場で仕入れるのがオススメ その秘伝を詳しく解説します~大田花き市場編~Vol.1
これから、花き市場で市場で生花を仕入れたいと思っている人は、市場の免許申請方法や市場内のルールや詳細を知っておくと、スムーズに手続きを進めることができます。 「市場」と聞くと敷居が高そうで気が引けてしまうかもしれませんが、きちんと手続きをすれば購入する権利を取得できますので、是非参考になさってみてくださいね。
日本最大の大田花き市場で生花を購入する方法
(1)大田市場について
大田市場とは、東京都が管理する公設卸売市場です。 東京都内に11ヶ所ある東京都中央卸売市場の一つで、青果物、水産物、花きを取り扱っています。
大田市場全景 (出典:http://www.shijou.metro.tokyo.jp/index.html)
花市場は通常「花き市場」(かきいちば)と呼びます。 花きとは、「観賞用になるような美しい花をつける植物の総称」です。
本日ご紹介する大田花き市場は日本最大の市場であり、花以外にも青果・水産があります。青果物と花きに関しては日本一の出荷量を誇っています。 広大な敷地内にある3つの棟は、それぞれの建物の上に、シンボルとなるオブジェがあります。 大田花き市場は、城南地区に点在していた9つの民営の花き地方卸売市場を統合し、1990年に業務を始めました。
大田市場の花き取扱量は日本最大で、切り花で換算すると、1日に約329万本が出荷されています。 市場で花を仕入れるには、二通りの申請方法があり、仲卸で小ロットの品を仕入れる場合は「買出人章」の申請を、セリに出て大量の花を仕入れる場合は「売買参加権(通称:買参権)」を取得しなくてはなりません。 (こちらについては後ほど詳しくご紹介させていただきます。)
(2)大田花き市場の住所・営業時間
(出典:http://www.shijou.metro.tokyo.jp/info/03.html)
住所/東京都大田区東海2-2-1 仲卸営業時間/4:00ごろから花き市場内仲卸の各店が開店
市場は5:00前後に一番のピークを迎え、8:00ごろにはだいぶ人も減り、品揃えも少なくなってきます。 その後、10:00頃には仲卸は閉店となります。 見学に行く際には時間に気を付けましょう。
(3)駐車場について
駐車場の利用は、東京都への車両申請が必要になります。 初日の場合は、入り口にある警備室で一日限りの仮申請を行えば、場内に車をとめることができます。
申請の開始から登録まで約一ヶ月ほどかかります。 登録が完了するまでは、仮の許可証が発行されるので車での入場も安心です。
(4)大田花き市場で仕入れるにはまず免許を申請
大田花き市場で仕入れをするためには、仕入れるための免許が必要になります。
免許の種類は2つです。 一つは「買出人章」、もう一つは「売買参加権」です。 以下に詳しくご説明しますが、まずはじめに仕入れを行う際は「買出人章」の申請を行います。「売買参加権」は買出人章の申請から3年後でなくては申請することができません。
<買出人章の申請方法>
買出人章の取得には、以下の4点が必要になります。
この4点がそろったら、花き棟の2Fにある、大田市場花き事業協同組合事務局(通称:ハナメセナ)へ申請します。
※ハナメセナの営業開始時間は8:00からなので、早朝に市場に行った場合は、ハナメセナが開くまで待っていなくてはなりませんのでご注意ください。12:00ぐらいまで営業しています。
※ハナメセナは市場2Fの奥まった所にあるので、迷った方は近くのスタッフの人に聞くと教えてくれます。 各書類に問題がなければ、申請に行った日から数週間後には買出人章が発行されます。 買出人章を手にしたら市場内の仲卸各店で生花の仕入れが出来るようになります。
<セリに参加するための売買参加権(通称:売参権)の所得方法>
買参権の取得には大きく3つの条件があります。
詳細及び申請書類などに関しては、大田花き営業本部へ相談してみて下さい。
レッスンなどで使用する小ロットの花材は、買出人章があれば十分です。 大きな花屋さんを開く場合は、セリに出て、よりコストを抑えた仕入れをすることができます。
<セリの様子>
花き市場のセリは7:00から始まります。 セリではほんの数秒の間に一つの商品が落札されていくので、次から次に様々な商品がセリに出されます。
セリは素人を寄せ付けない独特の世界観があります。 機会があればぜひ一度見学してみてください。
(5)どのようにして仲卸から購入できるのか?
<仲卸業者について>
現在大田市場には18の仲卸業者さんが入っています。 イメージとしては、街の花屋さんが18軒連なっている感じです。
仲卸では通常10本が1束となって売られており、1束ずつ購入することができます。アジサイや枝物などは5本で1束になっていることもあります。 商品には「@100円」など1本あたりの金額が書かれています。
例えば1本100円のバラが10本で売られていたら、1束の金額は1,000円ということになります。
買出人章がないと市場で花を購入する事は出来ませんが、その都度買出人章の提示を求められるものではありません。仕入れの際は買出人章を首からさげておくと良いでしょう。
花を手にとって見る際は、花びらが傷つかないよう茎の部分を持ちます
<それぞれ個性のある仲卸業者さん>
大田花き市場にはたくさんの仲卸が入っていますが、各店それぞれに個性があります。 鉢物を専門に取り扱う店、胡蝶蘭を専門に取り扱う店、バラを専門的に取り扱う店、葉物や枝物を多く取り揃える店など、皆それぞれに個性を打ち出しています。
もちろんこの他、バラやガーベラなどの定番商品を取り扱う店も多くあります
<私がいつもお世話になっている仲卸さん>
私がいつもお世話になっている仲卸さんは「フレネットHIBIYA」さんです。珍しい品種の花やグリーンを取り扱っている仲卸として、大変人気のお店です。
自分と懇意の仲卸さんができると(いわゆる常連さんになると)、その日に仕入れたい花を予約することができます。
例えば、次のレッスンで紫のバンダ(ラン)が50本必要であった場合、懇意の仲卸さんに予約注文をして、仕入れ当日に受け取ることができます。 ※予約販売に関してはこの後ご説明させていただきます。 花の仕入れは、その日の入荷状況によって有る物と無い物があるので、こうした予約が出来るようになると、大量に仕入れたい場合は安心です。
(6)免許が必要な市場、必要でない市場(関東編)
花きの取り扱いがある市場は、たくさんありますが、ここでは代表的な市場をご紹介します。 もしお近くに市場がある場合は、直接市場に電話をして、申請の有無を確認されると良いでしょう。
※免許の申請が不要な場合も、一般の方が購入することはできません。 購入する際、生花を使ったビジネスをされている証明(ショップの名刺やチラシなどを提示)をしなくてはならない場合もあります。
※免許の申請が不要な場合でも駐車場の利用には車両申請が必要な場合がほとんどです。 その日一日だけの駐車場利用は、仮の登録でとめることができますが、その後継続的に利用する場合は、申請を行っておきましょう。
(7)現場に仕入れにいっている実際の私達からのアドバイス
<時間帯の特徴>
早朝5時くらいまでは業者が多く、 その後、徐々に個人で商売をしている花屋さん、講師、デザイナーが来るので、仲卸の通りが混雑してきます。 この時間帯に著名なデザイナ-が仕入れている場面に遭遇することも多々あります。
<品ぞろえの特徴>
めずらしい花や人気の花は早い時間に売れてしまうので、慣れるまでは朝5:00ぐらいに行って、どのような花が先に売れていくか(人気があるか)を確かめてみると良いでしょう。
<価格の特徴>
販売されている価格は、各仲卸によって違います。 例えばAという仲卸で1本100円で売られていたバラも、同じ品種で同じサイズでもBという仲卸では120円で売られていたりします。 少しでも安くて良い品を求めて、吟味しながら選ぶのも仕入れ(目利き)の勉強です。 季節・旬の花(春ならチューリップやラナンキュラス、夏ならヒマワリといった感じに)はどのお店もわりもお手頃価格で販売されています。 レッスンで使用する花は、旬のものを取り入れてみると良いでしょう。
仲卸を通した予約販売について
大量に花が必要な場合は、仲卸さんに連絡をして、予約販売で仕入れることができます。実際に市場に行き、お気に入りの仲卸を見つけて、申し出てみましょう。 予約した花は100パーセント入荷する保証はありません。
ちょっとした気温の変化や天候状況により、入荷できないということも稀にありますが、予約した花はよほどのことがない限り、仕入れることができます。
予約販売で購入する場合は、当日に店頭に並ぶ花(予約ではなくて通常に売られている花)よりも、若干高くなる場合があります。どうしても使いたい花が大量にあった場合は、予約販売をおすすめします。
ただ、誰でも予約販売をさせてもらえるわけではありません。何度か通い、まずはお気に入りの仲卸さんと仲良くなるところから始めましょう。
これから生花レッスンを導入する方へ
いかがでしたでしょうか?
日本最大の花市場「大田花き市場」での仕入方法をご紹介させていただきました。 朝早く仕入れに行き、水揚げ、つぼみの調整・・・ レッスンは正直とても手間のかかる作業です。
でも、生きている花の美しさと季節感を感じることのできる花は生花だけ。 いずれ枯れてしまう生花だからこそ、美しく咲いている時を贅沢に感じることができるのです。
仕入は大変ですが、ぜひ生花レッスンを取り入れて頂き、生徒様に喜んでもらい、そして長くリピートしてくれる花教室を目標に頑張りましょう!
次は、関東の板橋花市場、世田谷花市場の行き方や、買い方をご紹介予定です*
>>>花講師は生花店ではなく花市場で仕入れるのがオススメ その秘伝を詳しく解説しますVol.3 ~板橋市場花き編(東京)~
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