『材料費450円でデパートで売っているようなフラワーアレンジを作るコツ【無料公開】』
手軽に手に入るようになってきたフラワーアレンジの材料
ここ最近、造花やプリザーブドフラワーの材料が100円ショップや雑貨屋さんなど、様々な場所で多く売られるようになりましたね。手作りが好きな人たちが気軽にフラワーアレンジを楽しめる環境が整ってきていて、とても嬉しいです。
写真のお店、一体どこだと思いますか?
花材専門の問屋さん?それとも大手の手芸用品店?
いえいえ、実はこちら、なんとホームセンターの園芸コーナーの一角です。 この反対側にも同じように色違いのお花がずらりと売られていました。
ちなみにお値段は100円~高くても数百円。本当にお手頃で驚きです。
ステキなお花を身近な場所で、更にお手頃価格で買えるのですから、ぜひインテリアフラワーやギフトアレンジを作ってみたいもの。ですがいざ、自分でアレンジを作ってみるとなると
・なんとなく素人っぽくなってしまった・・・
・本に載っているデザインをそのまま真似したつもりなのに、なんだか冴えない・・・
こんな風になりがちです。
「素人っぽい」「ダサい」「洗練 されていない」というこれらのお悩みは、 逆を返せば「洗練されたおしゃれでプロっぽい作品」を作ってみたいと言うことになります。
でも、そんなこと、安い材料を使ってできるのでしょうか?
答えはYESです。
簡単、とは言えないまでも、いくつかのセオリーを覚えておくと、洗練されたステキなアレンジを、誰でも作れるようになるのです!
あるパターンを覚えておくとぐっと洗練されたアレンジが作れます
―最初は誰でも初心者―
私も最初は見よう見真似で始めたフラワーアレンジ。 その頃は「どうしてこんな野暮ったい花になっちゃうの??」と、自分のテクニックの無さに落ち込むことが多々ありました。
その後、しっかりした学校で花を学び、百貨店でプリザーブドフラワーアレンジを1日数十万円販売するところまで頑張れるようになりました。
誰でも最初は初心者です。上手にできないのは当たり前で、それなりの経験を積んだり、努力を重ねることで、洗練されたアレンジは作れるようになるものです。 私もそうでした。ご縁があって百貨店販売をさせていただくようになりずいぶん経ちますが、実は販売当初から、アレンジは驚くほど売れました。
それでも、年を重ねるごとに学びや発見があり、その経験の中で、売れるアレンジにはいくつかコツがあることを発見したのです。
一見普通なこのアレンジ、毎シーズン飛ぶように売れていきます
―売れるフラワーアレンジはある一定のルールがあります― こちらのフラワーアレンジ。
数年前から全国の百貨店で販売をさせて頂く度に数百個売れるという、いわゆるうちの「鉄板商品」です。
デザインはそれほど凝ったものではありません。でもこのアレンジには飛ぶように売れるいくつかの秘密があります。 この秘密はスクールで学んで頂いた人にだけお伝えしているので、ここには詳しく書けませんが売れる花の商品にはある一定のセオリーがあります。これは私が長年百貨店の現場で実際に学んだことです。
パターンを覚えれば失敗がなくなります
―何を買えば良いのかわかるようになる―
どんな世界でもそうですが、魔法のようなテクニックは存在しません。
でも、あるパターンさえ覚えておけば、材料を買う時にも「何を買えば良いのか」わかるようになり、失敗はぐんと減り、ステキなフラワーアレンジを作ることができます。
今日ご紹介させて頂く「5つのルール」を守るだけで、
・イメージ通りにデザインが仕上がらなかった
・高価な材料を買ってもうまくアレンジができなかった
こんな方々も、ぐっと洗練されたフラワーアレンジを作ることが可能になりますよ。
思い通りに作れるようになると、アレンジ作りがとても楽しくなります。よし、次はもっとがんばってかわいいアレンジを作ろう!と思えてくるので、どんどん上手になっていきます。
練習した後にやっとボードで波に乗れた時のサーフィンの感覚に近いでしょうか?(私は経験ないのですが・・)
とっておきのルールを5つご紹介
―造花やプリザーブドフラワーが一般でも手に入るショップも合わせてご紹介します
― この後の章では、「アレンジのコツ5つ」と、「100均の造花を使ったフラワーアレンジメントの作り方」、そして「造花やプリザーブドフラワーが一般の人でも手に入るショップ」を合わせてご紹介いたします。
造花やプリザーブドフラワーは、生花と違って何度もやり直しがききます。自分の納得いくまで作り直し、本日ご紹介するテクニックを使って素敵な花を作ってみてくださいね。
デパートで売っているようなフラワーアレンジ5つのコツと作り方
―このコツでプロっぽい作り方をマスターしましょう―
コツその1)「主役の花を決めていますか?」
メリハリのあるフラワーアレンジを作るには、主役の花と脇役の花をはっきりさせておくことがポイントです。
*ここからは本校の講師岡田先生が作品を作ってくれましたので、ご紹介いたしますね。個人としても何度も百貨店に出店されているプロの先生です。
「あの花も使いたい、この花もかわいい!好きなものを全部入れちゃいたい!」
花材売場に立っていると、あれもこれもほしくなり、好きなものは全部入れてアレンジを作った結果、なんだか取り留めない花になってしまった・・。こんな経験はないでしょうか。
これはまさしく主役が決まっていなかった為に起きたこと。
大型のアレンジを作るのであれば、似たような花をたくさん使ったとしてもナチュラル感が出てステキなのですが、ギフトアレンジのようにそれほど大きくない器を使う場合、初心者さんであれば、最低限の花材の種類で、シンプルに作った方が失敗しにくいと思います。
その際は以下のような種類をそろえて見てください。
1)主材(大きめな方が決まりやすい)
2)副材(なくてもOK。主材を引き立たせるもの)
3)スキマ埋め(小さめの小花や草類)
4)動きや華やかさを出すもの
この4つの役割毎に花を決め、さらにそれぞれ花の形や大きさが違うものを選ぶのがコツです。 次の章のレシピでは、実際にどんな花を使えばよいのか、写真入りでご紹介いたしますね。
コツその2)「多色使いに気を付けて!」 特に初心者の人に多いありがちな失敗は「多色使い」です。
いわゆる「マルチカラー」や「レインボーカラー」と言われる取り合わせは最も高度。失敗無く美しく仕上げるのは、プロでも難しいと言われています。
花の色合わせに自信の無い時は、カラーサークルのお世話になりましょう。
カラーチャートで隣あわせのゾーンの色合わせです。 赤なら赤の濃淡でアレンジを作るので、失敗が少ないのが特徴です。
「個性的な色合わせは補色」
カラーチャートで対角線上にある色合わせです。
黄緑と赤紫 黄色と青 など、ちょっと個性的な組み合わせは、和風のアレンジに使いやすいのが特徴です。 コツは色の量を絞って使用して、緑をたくさん添えること。人とはちょっと違った色合わせを楽しむことができます。
コツその3)「イメージに合う器を選んで失敗知らず」
器は、どのような雰囲気で花を作りたいかというイメージを左右します。
・モダンなアレンジなら、ガラスの花器や無地の花器
・エレガントなアレンジなら背の高い花器
・アンティーク風なアレンジならどっしりとした質感のある花器など・・
ですから、高級感のある特別なアレンジを作りたい時に、素朴な素焼きの植木鉢を使ったり、ぬくもりがあるアレンジを作りたいのにクールなガラスの器を使うなどといったセレクトは初心者の方にはあまりオススメできません。イメージを伝えやすい花器を使えば、失敗を回避することができます。
一生懸命作ったアレンジメント。 出来上がった時の達成感はなんとも言えませんよね。
ですが、その後いったん冷静になって、最後のチェックをする。このひと手間が次の大事なポイントです。
チェックのコツは、アレンジを目線の高さまで持ち上げてぐるりと一周確認すること。
するとどうでしょう。 花器とお花の間にびっくりするほど隙間があいていて、土台のサハラやセック、ワイヤーが丸見えではないでしょうか?
この隙間こそ心の隙間。ちょっとくらい大丈夫じゃない?はNGです。
見る人が見れば、一目で作った人の実力がわかってしまうのがこの隙間です。 紫陽花などの隙間埋め用の花をちょっと下げたり、花材を少しだけ足したりてしっかり埋めておきます。それでも足りない場合は、モスを使いましょう。
プロの作る商品なら、もちろんそのような隙間はありません。
コツその5) 「迷った時は、三角配置」
花の配置をどんな風にしたら良いのか、迷うこともありますよね。 そんな時は三角配置と覚えておきましょう。
花の高さを少しずつずらしながら、三角形になるように花を入れていきます。
上記の花器であれば、1輪は中央近くの一番高い位置。 1輪は器の淵。 残りの1輪は上記の2輪を結ぶ位置にいれます。
この法則は、花だけでなく、実ものなどをバランス良く入れたい時にも使えます! 以上が、覚えておくと便利な5つのコツです。 まとめますね。
次の章では、上の法則を使って100均のお花で作るアレンジメントレシピをご紹介いたします。
100均造花で作るフラワーアレンジメントのレシピ
-使う材料はこちら―
写真左から、主材、隙間埋め、動きを出すもの、そしてモスです。いずれも100均で購入した花材です。 このほかに、器、土台フォーム、ワイヤーの切れるハサミ、グルーガン(いずれも100均で購入可能)、フローラルワイヤーをご用意下さい。
【主材選び】
「コツその1・主役の花を決めていますか?」に従います。 今回は、主にふさわしい大きめで存在感のあるアネモネがついたガーランドをチョイスし、その中から3輪の花を使用します。 なお、使用する花器が小さ目のグラスなので副材は使用しませんが、主材の数を3→2にしたりして、違うお花を副材として入れてもステキです。
【カラーは・・】
「コツその2・多色使いに気を付けて!」の中でふれた「同色系」の法則で、白&グリーンの色合わせに。 さわやかなホワイト&グリーンはイヤミがなく、誰からも好まれる色なので、相手の好みが良くわからない場合など、オススメです。
【花器は・・】
「コツその3 イメージに合う器を選んで失敗しらず」に従い、アレンジのイメージにあわせた器として、モダンアレンジを作るために、グラスをチョイス。使用しているのは資材店にて購入したグラスになりますが、普通のワイングラスなら100均で購入可能ですね^^
器の用意
フォームはグラスより一回り小さくカットし、グラスの底にグルーガンでセットしておきます。 その周囲に、小さくちぎったモスを入れて、土台フォームが見えないようかくしておきます。
ワイヤリング
アネモネ3輪は、茎の部分にワイヤーを巻きつけておきます。
もともとの茎をうまく利用して、そのまま使えるものはワイヤリング無しで使用します。
長めに使いたい部分や、下に垂らしたりして不安定な部分に使う花は、ワイヤリングしておきましょう。
こちらも、長さが足りない時は茎にワイヤーを巻いておきますが、今回は、ワイヤリングはせず、そのままの形状で使用していきます。
アレンジメント作り
1)主材を入れる 「コツその5の三角形の法則」に従ってアネモネを3輪入れていきます。
まず、器の淵にかかるよう、大きめのラナンキュラスを入れます。 次に、器の中心に高く、2輪目のラナンキュラスを入れます。上の写真は、右側から見たところになります。
次に、3輪目のラナンキュラスを、1輪目と2輪目をつなぐ位置に入れて、三角形を作ります。これが骨格になります。
2)動きを出すものを入れる ―ダイナミックな多肉植物で動きと高さを― 斜め後ろに高さを調整しながら、多肉植物をいれます。 一気に高さと躍動感が出て、個性的な雰囲気になってきました。
3)隙間を埋める花を入れる
―ランの小花を入れていきます―
空いている隙間に、小花を入れて隙間を埋めていきます。
前、左右、後ろとすべての隙間にランを入れていきます。 全て入れ終わったら、長いつぼみの部分を右下にいれていきます。
もう一本は、上に向くように入れます。
全体的に動きが増し、長めの花が入ることでエレガントさも出てきました。
隙間があいていないか確認する
―ここまできたらあと一息。最後のチェックです―
全ての花を入れ終わったら、目線の高さにアレンジを持ち上げて、隙間が空いていないかチェックします。
隙間があったら、花材を少し下に動かしたり、足したり、モスを入れたりしてかくしておきます。
完成です
―100均の花を使ったとは思えないアレンジが完成しました!― 100均の花を使ったとは思えないほど、上品で高級感のあるモダンアレンジが完成しました!
初心者の方は、欲張りすぎず、最初は小さめのアレンジからチャレンジし、徐々に大きなアレンジにトライしてみると良いですね^^
次は100均以外に上質なお花を変えるショップをご紹介いたします。
造花やプリザーブドフラワーを一般の方が購入できるショップ
―東京堂―
東京都新宿区四谷2-13
https://www.e-tokyodo.com/index.html
最寄駅:JR中央線四ツ谷駅、地下鉄丸ノ内線四谷三丁目駅
プロご用達のお店。7階建てビルの本店ではお花を、歩いてすぐのアーティス館では、器やリボンなどの資材を扱っています。 一般の方への販売も行っているので、週末はブライダルを控えたカップルの姿を良く見かけます。
神奈川県横浜市神奈川区大野町1-8
http://www.displaymuseum.co.jp/
最寄駅:JR横浜駅北東口(埼玉、群馬、岡山、金沢、福島に支店があります)
本店横浜は海に面して広々とした店内に、独自開発の造花をはじめ、多数の商品がずらりと並んでいます。 こちらもプロ向けショップですが、もちろん一般の方や、カフェやパン屋さんなどのディスプレイ資材をする小ロッドで購入される方も多くいらしています。
大阪府大阪市北区鶴野町2-19
最寄駅:阪急梅田駅 東京都千代田区鍛冶町1丁目9-16
最寄駅:JR神田駅
http://mkaa.co.jp/
東京、大阪にある資材専門店。どちらも交通の便の良い場所にあります。 こちらも同じくプロご用達のお店ですが、ネットでは一般の方向けのショップもあります(http://www.rakuten.co.jp/cotta/)
大阪府大阪市中央区本町橋7-18
http://www.tokyo-onishi.com/store/
最寄駅:地下鉄堺筋本町駅
約400平米の広さの店舗では、旬の季節や祭事のアーティフィシャルフラワーやデコレーションで満載です。
大阪船場~本町~心斎橋周辺は小さな造花屋さんがたくさんあるので、まとめてまわっても楽しいですね。
大阪市北区梅田1-11-4 大阪駅前第4ビル
http://www.osakasansei.com/index.html
最寄駅:JR「大阪駅」 JR東西線「北新地駅」 地下鉄 御堂筋線「梅田駅」 地下鉄 四つ橋線「西梅田駅」 地下鉄 谷町線「東梅田駅」 阪急電鉄「阪急 梅田駅」 阪神電鉄「阪神 梅田駅」
大阪の繁華街梅田駅が最寄でとても便利な場所にあります。会員登録することなく卸価格に近いお値段でいつでも買える商材が多いので、一般の方にはとても使いやすいお店。
愛知県名古屋市中区栄三丁目29番地26号(名古屋パルコ西館B1F・1F)
http://www.okazou.co.jp/
最寄駅:地下鉄名城線「矢場町駅」
名古屋パルコ内にある造花、人工樹木の専門店です。ファンの多いascaの造花を多数取り扱っており、シーズンアイテムも豊富です。
http://www.hanadonya.com/
生花、プリザーブドフラワー、造花ほか、リボンや資材類などお花にまつわるアイテムを幅広く扱うネットショップです。 プリザーブドや造花は割引になっているものばかりなのもうれしいところ。
おわりに
ご紹介してきたアレンジを原価計算してみましょう。
合計450円
こんなに安い原価の材料を使っているのに、エレガントなアレンジを作ることができたのは、「コツ5つ」をしっかり守ったおかげなのです。
100均の花でさえ、こんなにステキにできるのですから、しっかりコツ5つを守って、上記でご紹介した資材屋さんできちんとした花を購入してアレンジを作れば、もっとグレードの高い作品になること間違いなしです。
今までアレンジに自信が持てずにいらした方も、また新たな気持ちでコツ5つを実践して、ステキなアレンジ作りにチャレンジしていただければと思います。