今回の藤江海外レポートは、ベルリン蚤の市からです。
ベルリンはヨーロッパの中で最も多くの蚤の市があると言われ、日曜日になると、至る所で蚤の市が開催されているそうです。
蚤の市は一年を通じて開催されていますが、出店が増え、本格的に商品が揃うのは4~10月なので、気候も穏やかな今は蚤の市巡りにもうってつけですね。
そんな蚤の市天国のベルリンの中でも、規模が大きく歴史のある「6月17日通りの蚤の市」のレポートをお届けします。
岡村
古いものを大事に使うドイツの人たち。
そんなドイツの人たちがたくさん集まる【6月17日通りの蚤の市】という、ちょっと変わった名前の蚤の市に行ってきました。
場所はTiergarten(ティアガルテン)駅降りてすぐのところ。
もちろん6月17日に開かれる訳ではなくて、毎週土曜、日曜日に開催されています。
6月17日通りは、ベルリン中央にある幹線道路のひとつ、ブランデンブルク門から西に伸びる大通りの名前です。
冷戦時代の1953年6月17日、東ドイツの市民運動をソ連軍が武力制圧し、たくさんの犠牲者が出ました。
それに抗議してこの通りが「6月17日通り」と呼ばれるようになったそうです。
ドイツで蚤の市はフローマルクト(Flohmarkt)と呼ばれています。
ベルリンにはたくさんのフローマルクトがありますが、6月17日通りの蚤の市には、アンティークの家具、雑貨、衣類、絵画…など、あらゆる商品が並びます。
旧東ドイツで出版された古本をはじめ、アンティークボタンや、銀食器、マイセンなどの食器も並び、特に朝は人でいっぱいです。
レコードや本は、旧東ドイツのものが多く手に入ります。
フリーマーケットとは違い、蚤の市の出店者はプロばかりです。買付のバイヤーから観光客まで、あらゆる客層が集まります。
また日曜日はほとんどのお店がお休みなので、地元の人のお散歩コースとしても楽まれているようです。
日本でももっと開催してくれればいいのにな。
子供のオモチャや、その場で楽しめるゲームもあるので、お子さん連れでも楽しめそうですね。
グルメ屋台もありますよ。全部見ようとするとかなりの距離なので、こういったお店は嬉しいですよね。
昔、冬のパリで行った蚤の市で、売り切れ寸前だった温かいシードルを岡村さんと分け合ったなぁ(笑)
ヴィンテージのボタンがたくさん!
味わいがあって、洋服やアクセサリーのポイントになりそうです。
ずらりと並んだシルバーウェア。銀食器が多いのはヨーロッパの特徴です。
昔、ヨーロッパでは、銀食器は富の象徴として、代々受け継がれていたそうです。
ドイツの人たちは良いものを長く大切に使います。
彼らがお金を出すのは自分の価値観にフィットしたものだけ。だから古い建物や家具は何度も直して住み、使います。
モノに溢れた生活より、良いものをだけをずっと愛していく。
もちろん100均の手軽さも捨てがたいけど、本当に豊かなのはどっち?って考えてしまったベルリン蚤の市なのでした。
とっておきの一点に巡りあえる久しぶりの蚤の市は、やっぱりとっても味わい深いものでした。