最近、日本のプリザーブドフラワーが高い評価を受けていることもあってか、以前に増してこの件で私達への問い合わせも多くあります。
海外発送にあたっては、注意しなければいけない点が大きくわけて事前に3点、配送に際して3点あります。私たちが税関で実際に調べたことを本日は一般公開いたします!ぜひ参考になさってみてください。
とある会員の方から、プリザーブドフラワーの発送に関してこんなご相談をいただきました。
相談者様は、プリザーブドフラワーのオーダーを受けたものの、送り先が海外だということで、始めてのことにどうしたら良いかわからず、お悩みでした。同じお悩みをお持ちの方へ、どうしたら良いのかをシェアしていきたいと思います。
~お寄せいただいた悩み~
お客様から、プリザーブドフラワーのアレンジメントを、日本から海外に発送して欲しいというオーダーをいただきました。
私の作ったプリザーブドフラワーが海を越えるなんて感激なのですが、海外に発送するのは初めてです。気をつけた方がいい点などアドバイス頂けたら幸いです。
そしてそもそも、プリザーブドフラワーのアレンジメントを、海外へ発送するということは可能なのでしょうか??
教えていただきたくて、メールいたしました。
海外へ発送するとなると、梱包の部分から注意が必要ですし、そもそも海外へ発送できるのかわからずお悩みでした。海外発送には幾つかの確認したり、注意したりするポイントがありますので、ご紹介いたします。
まず、オーダーを受けて商品を海外へ発送する場合、 インボイス(送り状)に商品価格を記入することが必須(義務)です。
つまり、お送りした相手方に、日本円でアレンジメントの金額が表記された送り状が届くことに。
アメリカなどの場合、ギフトを交換・返品するのが日常茶飯事なので、領収証を同封してギフトを贈るくらいですから、頂く方は、それほど抵抗がないのかもしれませんが、贈る側のお客さま(日本人)には、抵抗感を感じる方が少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
この点を必ず承諾していただいてから、発送を承りましょう。
送り先の国やアレンジメントの価格によっては、『関税等諸費用』を支払う必要があります。
関税等諸費用がかかると判断された場合は、配送後、約1ケ月~半年以内に連絡がきますが、この関税等諸費用については、お届け先様にご請求がされる場合があります。
海外発送の場合、おおまかな目安はありますが、日時の指定はお受けできません。
お誕生日やアドベント、旧正月に間に合あうように送りたい等ご希望があっても、現地の事情により、遅くも早くもなります。こちらも一言、事前のお断りが必要です。
上記の3点は、お客様に事前に必ず確認をしておきましょう。トラブルの原因になりかねません。
~各国の輸入制限が適用されます~
お客様にインボイスへの価格記入等をご納得いただいても、プリザーブドフラワーの海外配送には、 まだいくつかのステップが必要です。
例え1点だけの手作りアレンジメントであっても、国内での宅配サービスとは異なり、海外への発送は貿易扱いとなる為、各国の輸入制限が適用される為です。
植物検疫とは『海外からの病害虫の侵入を防ぐために輸出入される植物に対して行う検査』のことです。
植物の種類と輸出先により『検疫証明書無しで輸出可』『検疫証明書添付で輸出可』『輸出相手国の検疫条件が未設定の為、輸出出来ない、又は不明』『原則禁止』などのルールが決められています。
植物を日本から海外に送る場合、事前に相手国が規制を設けているかどうかを植物防疫所に問い合わせておく必要があります。
※問合せ先が分からない、受付時間外に質問をしたい場合は、植物防疫所ホームページにて受け付けています。
⇒https://www.pps.go.jp/impression/contents.php
検疫証明書添付で輸出可とわかったら、植物防疫所で検査を受けなくてはいけません。
花の種類や国によって、レベルが細かく分かれています。ご興味のある方は、どうぞこちらをご覧くださいませ。
『植物防疫所HP:海外へ野菜や果物を持ち出す際の規制』
http://www.maff.go.jp/pps/j/search/exp_index.html
プリザーブドフラワーの場合は、花は本物ですが、薬剤等を使っているので、その取扱いが国によって異なります。
例えば送り先がイギリス(EU加盟国は全て同じ)の場合なら、 使われているプリザーブドフラワーに、どのような薬剤が使われているか確認し、最寄の植物防疫所や大使館、またはイギリスの植物防疫所に対して、「日本から配送する際に検疫の必要があるかどうか」 を問い合わせる必要があります (薬剤によって、検疫の必要なものがあるようです)。
プリザーブドフラワーを作る上で使用される薬剤は、メーカーや花、葉の種類によって異なりますので、これはかなり大変な作業になりそうです。
使われている薬品がわかり、植物検疫証明書取得して輸出をしようとする場合、植物防疫所が発行する『植物等輸出検査申請書』を記入(英文併記)、最寄の植物防疫所にFAXし、検査日を予約します。
検査日にアレンジメントを持参し、検査後、合格すれば、検疫証明書が即日発行されます。
もし、『検疫証明書無しで輸出可』とわかった場合は、国際便を扱う宅配業者や、EMS(国際スピード郵便)に配送を依頼します(宅配業者やEMSが配送を行わない国には発送できません)。
ちなみに、ヤマト運輸国際宅急便はプリザーブドフラワーやしめ縄は配送不可なので、ご注意下さい。
http://www.kuronekoyamato.co.jp/kokusaitakkyubin/
日本郵便の国際便(EMS)についてはこちらからご確認ください。
https://www.post.japanpost.jp/int/
ここまでの手配をせずに、ダメもとでお送りする方が多いようですが 根や土がついていない植物なので、日本から送ることはできると思います。
ただテロ以降荷物のチェックが厳しくなっているので 現地では開封される可能性もあります。機内持ち込みでしたら「造花」だと言い張れるのですが、郵送となると、破損も含めどんなトラブルがあるか心配です。
オーダーを受けた場合、可能であればアーティフィシャルフラワーのアレンジメントに変更できないか、お願いすると良いかもしれません。