最近はすっかり空気も変わって朝晩は長袖に腕を通すことも多くなってきましたね。夏が終わった後、長袖に腕を通す瞬間が昔から好きです。自分を守ってくれるような心地よさを感じるんですよね。子供の頃ミノムシになってみたかった願望がまだあるのでしょうか。ちなみに私のカラー診断は「オータム」です。
さて(全然関係ない前ふりごめんない)これから迎える秋。実ものや紅葉した枝ものなど、お花が好きな人ならワクワクするような花材が店頭をにぎわせるようになります。
さりげなくお部屋に飾って秋の風情を楽しみたいところですが、そんな時に知っていると便利なテクニック「ため」をご存じでしょうか。
簡単なのに、タメのひと手間でいけたお花がいきいきと見えるこのテクニック。今日は生花を良い雰囲気に見せる技を紹介したいと思います。
「ため」とはどのようなテクニックのことか、ご説明いたしましょう。
簡単に言えば、まっすぐな枝や茎を、曲げてゆく手法のことです。
いけばなの世界では「枝をためる」と言って良く使われるこの技法。江戸時代には既に「ため」のテクニックは常識だったそうです。
●真っ直ぐな枝にカーブをつけたい時
●カーブしている枝を真っ直ぐに修正したい時
こんな時に枝をためると言うのですが、アレンジメントや花瓶にお花を飾る時にも、このテクニックを知っていると、雰囲気良く仕上げることが出来るので、とても便利です。
では、ため方を早速実践してみましょう。今日は、カーブを付けるととてもステキになるカラーを使ってみたいと思います。
写真のように、カーブさせたい場所に左右の親指を添えて、茎を優しくにぎります。
親指で力を加え下に押すようにしつつ、左右にずらしながら何度も茎をなでるようにして、カーブをつけていきます。
カラーは比較的ためやすく、また元にも戻しやすいので、ための練習にはぴったりな花材です。
茎が、平らな面と丸い面があるので、平らな面をためましょう。
ビフォアー↓
しっかりとカーブが付きました。
次は枝もので実践です。これはコブシというお花。
親指は絶対に離さないで、ゆっくりと枝にカーブを付けてください。
ビフォアー↓
アフター↓
枝は、繊維質で固いので、ためていると「プチプチ・・」と繊維が切れる音がします。これを一気にカーブさようとすると「ブチブチ!ボキボキ!」という音であっとい間に枝が折れますから、力加減に注意しましょう。
やり方は簡単ですが、力加減がわからないうちは、枝を折ってしまいますが、何事も勉強です^^使わない枝などで練習してみて下さいね。コツを掴めると思います。
いけばなだけでなく、フラワーアレンジメントでも日常的に使う「ため」のテクニック。
慣れてくると、アレンジメントの全体像を見ながら、あそこにこの枝をいれたいな、と思っているだけで、気が付くと握った枝を勝手にためています。
効かせたい場所に、雰囲気のある枝をもってくる。
それだけでワンランクアップのアレンジになりますので、どうぞお試し下さいませ。