フラワーエデュケーションジャパンの松川です。
FEJデザイナーズが活躍するギフトブランド『フルリール』では、毎年母の日には、全国の百貨店からものすごい数のアレンジメントを全国のお母さんたちにお届けしています。
そんな販売のプロである私達FEJデザイナーが実際に採用しているフォーム土台の設置や固定の方法、花のリペアの仕方があるのですが、今回は特別に前後編に渡ってそのテクニックを皆様にお教えしたいと思います!
まず前編では、フォーム土台の設置方法についてです。私達のコツをそっとお教えしますね!ではどうぞご覧下さい。
意外とご質問を多くいただくのがサハラ(セック)の設置方法。
オーダーなど販売するアレンジメントを制作する際は必ずサハラを花器にグルーやボンドなどで固定しておきましょう。
しっかり固定しようとすると、サハラの底の面にボンドをつけておこうと底面だけにつけてしまう方はいらっしゃいませんか?
例えば画像のような背の高い器の場合、底面だけにボンドをつけても花器には接着せず意味がありません。
背の高い花器の場合は、まずは器に合せてサハラをカットします。
そして、サハラの側面(花器を触れる所)にしっかりボンドをつけておきましょう。それからしっかり花器と接着させて下さい。
こうすることでしっかりと花器の中の側面と固定することができます。
また、こちらの画像のようなタイプの花器ですと、サハラがストンと入りますので底面にボンドをつけていただいたので大丈夫です。どちらの場合も隙間ができたら小さくカットしたサハラを入れ動かないように固定しておきましょう。
サハラの設置に関しまして、もうひとつ質問が多いのが、固定する際、ボンドとグルーどちらがお勧めですか?ということです。
結論としては、どちらをお使いいただいても大丈夫です。
グルーは皆様ご存知の通り、熱をもった状態でつけますので、すぐに固定することができます。
サハラをセットしてすぐアレンジしたい時にはとても便利です。
ただ欠点はすぐに固定される反面、グルーをつけた面が乾いてサハラごとはがれてしまうことがあります。はがれる時も一気にはがれてしまうというイメージです。
それに対してボンドは乾くまでとても時間がかかります。
乾ききってない状態でアレンジをスタートすると、お花を抜き差しする際にサハラが動いてしまうことがありますので注意しましょう。
その反面、乾いてしまえばグルー以上にしっかりと固定されますので安心です。
サハラの設置は配送する上でもとても大切なポイントとなりますので、是非しっかりと固定して下さいね。
前編の最後になりましたが、アレンジメント用のフォーム土台の種類についてご紹介したいと思います。「そんなの知ってるでしょ?」と思われるかもしれないのですが、体験レッスンにいらした方の多くが使い分けについてご存じありません。
アレンジメント用フォームには、大きくわけて3つのタイプがあります。それぞれご紹介しますね。
代表的なものに「オアシス」があります。
(出典:http://store.displaymuseum.co.jp/)
生花用のスポンジは基本的に「緑色」をしており、「生花用」と記載があるものを選びます。
ここで注意なのですが、生花アレンジのフォームはプリザーブドやアーティフィシャルのアレンジには不向きなので、使用には注意が必要です。
生花用スポンジは給水を目的に作られているのでもろいので、配送にはあまり向きません。特に初心者の方で何度も挿し直しが必要な場合は、穴がたくさんあいてそこから徐々に崩れてしまうことも。要注意です。
代表的なものに「サハラ」「セック」があります。
いずれもウレタン樹脂素材なので熱に強くグルーにも耐えます。長期に渡りアレンジを支えて飾って頂くことが目的なので経年劣化も少なく作られているそうです。
(出典:http://www.smithersoasis.jp/)
こちらはFEJデザイナー御用達の「セック」。
(出典:http://www.hanadonya.com/)
ご覧の用に、オアシスやサハラに比べて目が粗いのが特徴です。サハラより粉が出にくく強度があるので、アーティフィシャルも一緒に使うことが出来て便利です。
(出典:http://www.hanadonya.com/)
代表的なものに「アートフォーム」「サハラ2」があります。また、セックを使っても大丈夫です。
FEJアーティフィシャルデザインコースでお使い頂くのは「アートフォーム」です。
(出典:http://www.hanadonya.com/)
セックやサハラに比べるとやや硬めですが、しっかりとしていて花揺れもすくないと思います。
少し前はこうしたアート用のフォームが無くスタイロフォームを代用していたのですが、とても固くて挿しにくく、#24ワイヤでワイヤリングしたものなどはすごく挿しにくかった印象です。
このように、使う素材によってフォーム土台が変わるということを、レッスンの最初に生徒様に教えて差し上げると良いですね。
作り手のひと手間や、資材を使い分けることで、美しいだけではなくしっかりとした長く飾っていただける作品に仕上がります。
みんなを笑顔にしたり癒してくれるお花だからこそ、クレームゼロの丁寧な作品作りを心掛けたいですね。
後編では、花ノリペア方法についてご紹介しますのでどうぞお楽しみに!
松川