前回は、花冠の由来や上品に作るポイントをお伝えいたしました。
<<<【Vol1】「安っぽく見えないための5つのポイント」ウェディングにも使える花冠の作り方
本日は、実際に自分で作る「花冠」の作り方をご紹介いたします。プリザーブドフラワーのワイヤリングが初めて、という方はまずはこちらのレシピをご覧くださいね。
<<<プリザーブドフラワーアレンジ必須のテクニックその1【ワイヤーの種類と使い方 】
上品で簡単なプリザーブドの花冠レシピ
それではレシピのご紹介です。
今回は、高級感のある「プリザーブドフラワー」をメインに使い、躍動感があって色もきれいな「アーティフィシャルフラワー」をミックスしていきます。
リボン付きなので、頭のサイズの調整がしやすく、プロのような綿密な採寸は不要ですので初心者の方も比較的作りやすいかと思います。
細くきゃしゃな花冠作りを成功に導く、ワイヤリングのコツもあわせてご紹介したいと思います。
まずは花の茎をカット
プリザーブドフラワーの茎は、最低限の長さを残してカットしておきます。
わざわざカットしなくても、そのままでいいんじゃない?と、少し面倒くさい気もしますが、このひと手間をかけることで、全体的にすっきりとした花冠を作ることが出来ます!
「細い花冠」とは花冠の内径と外径の差がより少ないということ。 ですから、花も出来るだけ高さを出さないように処理していくのがポイントです。
きゃしゃで細い花冠のためのワイヤリング方法
~ワイヤリングのために用意するもの~
「#24 裸ワイヤー」 「#26 裸ワイヤー」の2種類のワイヤーを使います。
ワイヤーは東急ハンズやユザワヤなどの手芸コーナーなどで簡単に手に入ります。
東京なら、浅草橋のシモジマや造花店ど、 大阪なら梅田サンセイや船場の造花屋さんに行ってみましょう。
プリザーブドローズをワイヤリング
1)#24ワイヤーを1/3~1/4にカットして、全て、どちらか片方の先端をフック状にします。
2)このワイヤーを、バラの中心から茎に向かって挿して行きます。 指にワイヤーをささないよう、十分気を付けて下さいね!
これを「インソーション」といいます。 ブライダルのお式の最中に花首を落とさない為の大切なテクニックになります!。 前の工程で作ったフックがバラの中で引っかかっているので、 万が一茎が折れても大丈夫なのです。
3)さらに、#26ワイヤーを各1/3にカットしたものを2本使い、 茎の部分へ十字になるようワイヤーを挿していきます。
これを「クロスメソッド」または「ダブルピアス」といいます。
花冠に使用するようなサイズのバラの場合、 通常インソーションは#22。ここでは#24ワイヤー(#22より#24の方が細い)を使用します。
さらに、通常なら#24を使ってクロスメソッドをしていく所を#26を使います。
因みにワイヤーの太さの関係性、はこのようになっています。
太い← #22>#24>#26 →細い
あえて少し細いワイヤーを使用することで、 ほんのちょっとの差ではありますが、茎全体が細くなります。 ほんのちょっとの違いとは言え、花冠にはたくさんのパーツを使用するので、 この差が大きな違いになって、スッキリとした花冠につながります!
いつも通りのワイヤーの選択でも大丈夫ですが、より細くてきゃしゃなかわいい花冠を作りたい場合は、ワイヤー選びから気をつけて作ってみましょう。
4)余分なワイヤーをカットします。
ローズは全長で約8㎝~10㎝程度になるようカットしておきます。 (花の大きさによって多少かわってきます)
5)シルバーのワイヤー部分が隠れるようにフローラルテープを巻きます。
今回は、細さを強調する為、スキマの多いすっきりしたデザインの花冠を作ります。 スキマを隠すために、仕上げでグリーンのリボンを使って全体の巻き上げをするので、フローラルテープはグリーンを使用します。
一般的に、この工程ではフローラルテープの色はブラウンが使われることが多いようです。
アーティフィシャルフラワーをワイヤリング
~アーティフィシャルワイヤリングのために用意するもの~
「#26 緑の地巻ワイヤー」を使って、アーティフィシャルフラワーとリーフをワイヤリングしていきます。
1)アーティフィシャルフラワーは、茎から花を外しておきます。
2)ワイヤーを半分にカットしてUピンのように曲げ、お花と額の間にひっかけます。
3)ひっかけたワイヤーを捻じります。
4)アーティフィシャルのリーフ類もワイヤリングします。
同じく#26地巻のグリーンワイヤー1/2で、根元をぐるぐると巻きます。 (ツイスティングメソッドと言います)
ワイヤリングし終わったら、それぞれワイヤー部分4㎝程度を目安にカットし、 グリーンのフローラルテープで巻き上げます。
※今回は上品で細い花冠を作る為、大きなお花は使いません。 もし、少し大振りで重めのアーティフィシャルフラワーを使用するのであれば、#24地巻ワイヤーを使いましょう。
使用するすべての材料を、下の写真のようにワイヤリング&テーピングし、花首の下4㎝程度でカットしておきます。
アーティフィシャルのツルなら一石二鳥
今回はアーティフィシャルの「ツル」を使用します。 アーティフィシャルのツルを使うと、土台と装飾が一石二鳥で行えるので、時間短縮に。
頭のサイズより多少長ければ、ツルはどのようなものでも大丈夫です。 お作りいただく花冠の雰囲気に合わせて選んでみて下さいね。 とはいえあまり葉が大きいものを選ぶと使いにくいので、避けた方が良いでしょう。
1)今回はアイビーのツルを使用します。
ツルは、頭のサイズより少し短く(5㎝程度)、カットしておきます。
浅くかぶるか、深めにかぶるかでもサイズがかわってきますので、実際に頭にあててサイズを割り出しましょう。
2)ツルの先端をU字に曲げて、リボンを結びます。
先端は1.5㎝位に折り曲げます。 リボンを結んだら、さらにしっかり2つ折りにしておきます。 次の工程でテーピングをする為、 ペンチなどでしっかりと折っておきましょう。
3)2つ折りの部分をテーピングします。
ワイヤーのカット部分が、万が一、花嫁様の頭に当たると危険ですし、 リボンの抜け防止にもなるので、しっかりテーピングをしておきます。これを左右とも行って置きます。
ここまでが下準備になります!
いよいよここから花冠作りが始まります!
1)リボンがついている方を下にして、花を1輪、テープでツルに巻きつけます。
花が上を向くよう花首に角度をつけて、花から下の茎の部分をフローラルテープで巻き上げます。
葉と葉の間を縫うようにして、フローラルテープを巻きつけましょう。
2)同じ手順で少しずつ花や葉をずらしながらツルに巻きつけていきます。
花は、ツルの上にまっすぐに配置しても良いですし、右、左と表情をつけながら配置すると、ナチュラル感がアップします。 シンプルに幅の細い花冠を作りたい時は、使用する花は小さい物を選び、左右の振りも抑えめにしましょう。
3)反対側のリボンまで花を巻きつけたら、全体のバランスを確認して、足りない所に材料を更に足していきます。
テーピングで巻き上げる花冠の場合、どこでも自由に花を足すことが出来ます^^
ただ、入れすぎるとごちゃごちゃした雰囲気になりますので、時々頭にあててバランスを見ながら、少しずつ足していきましょう。
編み終わった花冠の茎にリボンを巻いて仕上げていきます。
1)両面テープを下の写真のように、所々貼っていきます。
2)端から少しずつテープを剥がしながら、リボンで茎を巻き上げていきます。 リボンはお好みで良いのですが、今回は6mmのサテンリボンを使用。
花や葉がたくさん入っていると、間を縫うようにして巻き上げていくのは大変ですが、 出来るだけ同じ幅になるよう、丁寧に巻き上げると、よりきれいな仕上がりになります!
3)全て巻き上げ、リボンの最後をグルーやボンドで接着したら完成です。
花嫁様がウェディングでつける花冠は本当に可憐で素敵です。
花冠姿の花嫁様は、まるで神話かおとぎ話の住人のようで、結婚式の荘厳な空気とあいまって、とても特別な雰囲気を私たちに与えくれるものです。
そんな花嫁様を見ていると、幸せな気持ちが胸いっぱいに溢れてきます。
ちょっとしたコツさえつかめば、上品に見える花冠を作ることが出来るので、「安っぽく見えない5つのポイント」を実践していただき、ぜひ素敵な花冠をつけて、思い出に残るウェディングをお迎えください。