お正月の準備はあまりしないけれど、鏡餅くらいは玄関に飾るよ~という人も多いのではないでしょうか。
鏡餅は12月に入るとスーパーやホームセンターでも売られるようになるので、それを見てああ、今年もそろそろ終わりだなあ、と感じます。
ところで皆さん、お餅の上に「みかん」が乗っているのを不思議に思ったことはないでしょうか。
よくよく考えてみたら、なんだかちょっと変ですよね(そう思うのは私だけですか?!)。第一、お餅とみかんは味が合わないように思います・・。
私は子供の頃からこれがとても不思議で、みかんの変わりにイチゴをのせてみたりしましたが、特別良いというわけではありませんでした。かといって由来を調べるような子供ではなく、なんとなく今日まできてしまったのですが。
いよいよ鏡餅の由来や飾る理由が気になったので、調べてみました。おしゃれに安い鏡餅を飾るアイデアも合わせてご紹介いたしますので、よろしければぜひ参考にしてみて下さい。
―鏡に似ているから鏡餅―
そのままなのですが、形が昔の鏡(銅鏡)に似ていることから鏡餅という名前が付いたとされます。
みなさん「三種の神器」という言葉を聞いたことがあると思いますが、この三種の中のひとつが「鏡」で、天照大神から瓊瓊杵尊が授かり、歴代天皇が継承してきた宝物とされています(ちなみに後のふたつは勾玉と剣)。
(出典:https://ja.wikipedia.org/)
もともと神様にお供えるする特別な食べ物だったお餅(昔はお米が貴重品でした)ですが、そんなありがたい鏡の形を真似て作り、神様へお供えするようになりました。
―3段もあります―
一般的には、鏡餅は2つ重ねて2段にします。”2つ”なのは、ひとつが陰、ひとつが陽を表しているからで、横に並べるのではなく重ねる理由は、福が重なる、良い年を重ねるという意味が込められているからだそうです。
最近では、パックに入った鏡餅がスーパーで出回るようになったので、2段が広く日本に浸透してしまったのですが、地方によってはお供えする神様や用途によって3段に重ねたり着色したりします。
スーパーでパック入りの鏡餅を買うと、箱に一式入っているものがあります。
・足のついた台は「三方」
・四角くて四方が赤く白い紙は「四方紅」
・ヒラヒラの紙が「紙垂または語弊」
・そしててっぺんに載せるプラスチックの「橙(だいだい)」
この順番通りに組み立てていくと鏡餅が完成するのですが、これらが一般的に鏡餅を飾る際に必要なものとされているもの。
パックの鏡餅には入っていませんが、昆布、裏白、譲葉(ユズリハ)、蝦(エビ)、熨斗鮑(ノシアワビ)などは縁起ものとして本格的な鏡餅に使用されますし、地方によって縁起物の種類が異なります。
―鏡餅に飾る縁起物の由来をご紹介いたします―
【橙】
私が「みかん」だと思っていた柑橘類は橙でした。名前の「だいだい」が「代々」に通じることから、家系代々久しく栄えるの願いが込められています。
【昆布】
こちらも「こんぶ」が「よろこんぶ」「喜ぶ」に通じることから縁起が良いとされています。子生という当て字をして子宝に恵まれますようにという願いを込めるとも言われています。
また、昆布は北海道(昔の蝦夷)の特産品なので、昔は夷子布(えびすめ)と呼ばれ、「えびすめ」が恵比寿に通じることから、恵比寿様から福を授かる、という意味もあるそうです。
【裏白】
裏白とは大きなシダの一種。一対で使います。葉裏が白い為、後ろ暗い所が無い、清廉潔白という意味で使われます。葉の生え方から子孫繁栄や夫婦円満を願いう意味もあります。
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鏡餅の由来などをご紹介してきましたが、そもそも我が家には神棚が無い!そんなご家庭はとても多いと思います。
そんな場合はどこに鏡餅を飾るのが正解なのでしょうか。
鏡餅は、歳神様の依代だと上の項目でお話ししました。つまり鏡餅のある所に神様がいらして下さるということになるので、仏壇があれば仏壇にひとつ、リビングの神様にふさわしそうな場所にひとつ、キッチン、子供部屋と、神様に来ていただきたい所にはいくつでも飾って構わないのです。
ただ、神様に失礼のないように、飾る場所には気を付けたいものです。
それぞれの部屋の中では、その年の恵方に飾ると良いとか、恵方に向けて飾ると良いなどとされています。
ちなみに2017年の恵方は北北西です。
一般的には12月28日頃から飾り始めるとされています。つまり今日!
早い分には問題はないそうなので、神棚などのお掃除が済んだら、早くから飾っておいても構いません(昔は各家庭でお餅をついてお供えし、カビやひび割れの心配もあったので、くんち飾りの29日、1日飾りの31日を避けて28日に飾っていたようです)。
鏡餅を神棚から降ろすのは、松の内が終わった後の1月11日を「鏡開き」の1月11日が多いようです。ですがこれも地方によって違いがあるようで、京都では1月4日、関西では旧正月の15日や、旧正月明け後の20日に行う地域もあるようです。
さて、鏡餅の由来や飾り方について学んできましたが、この後はおしゃれに飾るコツをお伝えしていこうと思います。
まずこちらの鏡餅。スーパーから買ってきたものです。
これを箱から出して組み立てると、大体どのメーカーのものでも、このような感じになると思います。
これはこれできちんとしていて歳神さまも喜んで降りていらっしゃいそうですね。
ただ、おしゃれかどうかと言えば、実家やおばあちゃんの家に飾ってありそうな、どちらかといえばトラディショナルな雰囲気です。オシャレ!という感じではありません。
そこで今回は、この鏡餅をそのまま使い、手軽に手に入るものでオシャレに変身させる4つのコツをご紹介いたします。早速ご覧ください。
まず最初に、鏡餅をかわいくデコレーションする為、市販のタッセルを使います。簡単にかわいい飾りが作れますよ。
使うのは水引とタッセルです。
タッセルは手芸店や資材店で購入できます。私は和風のものを使いましたが、洋風でもステキですよ。ちなみに上のタッセルはクラフトハートトーカイのもの。
①最初に、赤い水引を丸く束ねておきます。
水引は1本を4等分にしておきます。今回は10本の水引を40本にして使用。
②40本の水引をぐるぐると思い切り捻じっていきます。
③円形に丸めます
しっかり捻じったら左右を輪ゴムでとめて、下図のような形に整えます。
形が崩れないように中央はワイヤーやヒモでしっかりと結んで下さい。左右は輪ゴムを留めてほどけないようにしておき、先端をハサミできれいにカットし整えます。
④タッセルを巻きつければ完成です。
ワイヤーやヒモで結んだ中央を隠すようにタッセルで巻きつければ完成です。
コツ1でかわいい飾りが出来たので、今度は周囲をランクアップさせていきます。 タッセルの色にあわせて鏡餅の下に同色の紙や布を敷いてみましょう。
鏡餅の下に、赤い紙を敷いてみました。お祝いムードが高まりますし、より華やかな印象になりました。
紙は100均で売っている「折り紙」で十分です。お花紙でも良いですね。
こちらは縮緬(ちりめん)の布を敷いたバージョンです。
縮緬を四角くカットしただけのものですが、和風のちょっとかわいいテイストになりました。外国の方にはこのちょっとかわいい和が意外に受けます。
縮緬は、手芸屋さんでカットクロスになったものがたくさん売られています。100均の和風ハンカチや風呂敷も使えます。
先ほどは鏡餅の下に敷く紙でしたが、次は三方の下です。こちらに紙を敷いてもステキで、格式高い雰囲気になります。
三方または飾り台とお盆や敷板が同色の時に、紙を入れることでアクセントになりますよ!
高価な三方や塗りの台があればそれだけで格式高く和モダンな雰囲気も出しやすくなりますが、普段なかなか使わないものなので手軽に済ませたいという方も多いと思います。
そんな時はオシャレなトレーやお皿を活用しましょう。
光もののトレーなら、絢爛豪華な雰囲気がパワーアップ。トレーを使う時もぜひタッセルと同色の紙を敷いてみて下さいね。
いかがですか?なかなかオシャレな鏡餅になったと思います!
来年1年が自分にとってすばらしい年になりますように、家族みんなが健康でいられますように、世界中の人が幸せでありますようにと願いを込めて、お掃除をしたり、鏡餅を飾ったり、新年に準備をするのは幸せですし、大事な日本人の習慣です。
忙しさにかまけて「今年は何もしなくていいか・・」「何もしなくても年は明けるよね・・」となってしまうこともありますが、自分好みのお正月飾りを用意すれば、作業も楽しみになるし、新しい年の幕開けがよりすばらしいものになると思います。
それほど手間はかけずにオシャレな鏡餅に変身するテクニックを使って、どうぞすてきな年をお迎え下さい。
皆様にとって来年が幸多き年でありますように。
お正月飾りの処分の方法はこちらをご覧下さい。
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